【コスミック・アイ 第17回】
アメリカ合衆国は何処へ行く その4
アメリカ合衆国の分断、その真の意味
合衆国の分断とは
2020年大統領選挙の前後して、「米国の分断」が深刻な問題として論じられてきた。原因はトランプ大統領の人格的欠陥(白人至上主義)と対決型の外交政策にあるとメディアが大騒ぎをしてきた。そして、「分断を克服する新大統領」としてジョー・バイデン氏はメディアから向かい入れられた。就任後、半年を過ぎた2021年8月現在、彼らはその期待を失ったようだ。それに触れなくなった。
バイデン政権の下では国内の分断はますます複雑化し、外交面では中東の紛争勃発と中国共産党習近平政権の圧力に押しつぶされそうである。彼らが主張していた「米国の分断」は実はメディアと民主党極左によって作り出されたものであり、国際紛争は大統領の弱腰と無責任外交がもたらしたものであることが暴露されつつある。今後、内外の混乱は解決できずにますます深刻化するだろう。
アメリカ国民への爆弾発言
2021年7月15日、共和党重鎮、元連邦下院議長ニュート・ギングリッチ(Newt Gingrich)氏はFox News Hannity Show に出演し、アメリカ国民に向けて爆弾発言をした。「過激な民主党が南北戦争以来の最大の脅威である」と宣言した。
彼は民主党のエリート主義者の行動が、腐敗をもたらし、また彼らが共産主義者であるということの深刻な現実を参加者達と分かちあった。要旨を以下に記す。(Gateway Pundit July,15,2021 by Joe Hoft より引用)
「1800年代に民主党員達は内戦(南北戦争)を起こす原因を作った。即ち、彼らは奴隷制度を維持し続けるために連邦から脱退をした。共和党大統領エイブラハム・リンカーンは、このような行動を全く認めずに、それを脅かしたことで戦争が始まった。現在の民主党は、再びその時の民主党のような状況にある。民主党がやろうとしていることは
事実に立脚したものではなく、単なる物語である。ニュート・ギングリッチ氏は『国民にショックを与えようとしている』と主張する前大統領に同意している。
現在の民主党のエリート主義と共産主義者としての行動は、自由を生き残らせることに対する、南北戦争以来の最大の脅威となっている。民主党員は米国の共和制を脅かしている。
脅威は完全に民主党によるものである。南北戦争以来、米国内で最大の自由に対する脅威である。それは我々が負ければ、死ぬ運命の脅威である。彼らはその方法を得たなら、盗む必要のあるものはすべて盗む。我々とアメリカ人を支配する為に、試すべきことは何でもやる。そして過激な彼らの価値観をアメリカ人に押し付ける。」
ギングリッチ氏は民主党政権トップを告発した。ジョー・バイデン大統領、カマラ・ハリス副大統領、ナンシー・ペロシ連邦下院議長、チャック・シューマー連邦上院多数派リーダーが米国連邦軍と行政・立法組織の全体の腐敗を進行させていると指摘した。また彼らは以下のことを強く進展させていると告発し、米国民に警告した。
- 民主党は党派的目的を果たすために連邦政府の力(行政機関)を使うことを固く
決意している。
- 犯罪勢力を強化して、警察力を弱体化することを固く決意している。
- 米軍の中に≪Wokeness運動≫を持ち込み、軍を破壊しようと固く決意している。 Wokeness運動:社会的不公正、人種差別、性差別を解決する意識啓蒙と行動を促す。
- アメリカ国民を「検閲」するために、少数の富裕層テック・ジャイアンツ (Tech Giants)を味方にして、司法省を使うことを固く決意している。
(文責・著者)
ニュート・ギングリッチ(Newt Gingrich)
1943年生まれ エモリー大学 デユレーン大学(ヨーロッパ史 博士号)
1974~8年 ウェストジョージア大学助教授
1979~99年 20年間 下院議員
1995~1999年 連邦議会・第58代下院議長
民主党が42年間も連続して下院多数派として主導したが、1995年の中間選挙で42年ぶりに下院共和党が多
数派となり主導権を回復した。「アメリカとの契約」運動により共和党の再建により国民の支持を得た立役者
アメリカンエンタープライズ研究所シニアフエロー
スタンフオード大学フーバー研究所客員研究員
Fox News アナリスト、コメンテイター
南北戦争(1861年~65年)の本質とは
何故、ニュート・ギングリッチ氏は「過激となった民主党が、南北戦争以来の最大の脅威となっている」と主張したのだろうか? 1800年代に、民主党員達が内戦(南北戦争)を起こす原因を作った。やがて彼らは利益を得るために奴隷制度を維持し続けようとして南部諸州連合(11州)を造り、アメリカ合衆国から事実上の脱退をした。1860年、アブラハム・リンカーンが大統領選に勝利して、共和党初代大統領として登場した。当時の民主党は巨大な基盤であったが、共和党は少数党であった。
リンカーン大統領は“法の支配”の下の“一つのアメリカ合衆国”を守ろうとした。そのためには“奴隷制の廃止”を実行せねばならなかった。“奴隷制の維持”は“法の支配”が許すはずもない犯罪行為であった。リンカーンは、もし妥協すれば米国は自己矛盾のゆえに必ず崩壊するという信念を持っていた。
「すべての人間は平等につくられている。創造主によって生存、自由、そして幸福の追求を含む、侵すべからざる権利を与えられている。、、、」 ~米国独立宣言(1776,7,4)~ 。
アメリカ独立宣言は英国植民地のアメリカ13州代表53人がフィラデルフィアで大英帝国との戦争(1775,4,19~1783,9,3)の只中で宣言したものである。。
アメリカ独立宣言を根として、幹としてのアメリカ合衆国憲法が造られた。アメリカ国民の良心は、「奴隷制は神と国家に対する犯罪行為」として判決を下さざるを得ないものだった。
民主党は政治的には大勢力であったが、奴隷制への親派が多く、南部を懐柔することにより合衆国の統一を維持しようとした。政治的利益のために建国以来の“法の支配”を事実上破棄し、奴隷制という犯罪行為を認めていた。
アブラハム・リンカーン大統領は、民主党勢力が願いとする南部の独立を認めず、絶対的に妥協しなかった。こうして70万人以上の若者が犠牲となった南北戦争が始まった。
南北戦争(1861年~65年)は奴隷を解放するための戦争であったが、同時に、アメリカ合衆国が「分裂して崩壊する」か、それとも「国家として生き残れる」かの運命を掛けたものでもあった。
それは、「法の支配」の下の国家を守ろうとする側と「法の支配」破棄してしまった民主党、及び南部諸州の政治勢力との戦争であった。
極左民主党(Democratic Party)が、再び“法の支配”の破壊を始めた
2020年大統領選挙の最中に、隠されていた事実が鮮明に表れた。しかし、それを深刻にとらえた人たちは、日本での米国政治の専門家と言われる人々の中にほとんどいなかった。
ニュート・ギングリッチ氏は、ジョー・バイデン大統領、カマラ・ハリス副大統領をはじめとする民主党行政府、そして民主党が支配する立法府のナンシー・ペロシ連邦下院議長、チャック・シューマー上院多数派リーダーたちが“法の支配”を維持するシステムの全体を破壊し始めたと指摘している。その事実を確認してみたい。
* 民主党は党派的目的を果たすために連邦政府の力(行政機関)を使うことを固く
決意している。
その目的は、2020年大統領選挙で行われた選挙詐欺を、永遠に闇の中に隠すことである。違法行為が白日の下にさらされれば自分たちが自滅するからである。
現在、アリゾナでは州議会の権限でマリコパ郡(投票数210万票、州投票総数
の3分の2)の監査を終えた(2021年7月中旬)。州議会が指導する監査は州裁判所判決を根拠に進行された。調査の完璧を期して、最終結果が近いうちに発表される。トランプ対バイデン獲得票差は州全体で約1万2000票差であった。しかし、アリゾナ上院議員ウェンディ・ロジャース氏によると、「郵便記録の全くない郵便投票の74,000票が正当票として数えられていたことが監査により明確になった」と述べた。これらは法的に無効票であり、これだけでも選挙結果は完全に逆転する。しかし、他にもっと大きな不正の実態が既に解明されている。マリコパ郡選挙執行責任者たちは、もろもろの違法行為でアリゾナ州議会から刑事告訴をされる立場に立たされている。このようなアリゾナ州選挙結果の議会による監査がモデルとなって、少なくともスイングステイト(ジョージア、ペンシルヴァニア、ミシガン、ウイスコンシン)に厳格な監査しようとする動きが急速に広がりつつある。
「選挙は“法の支配”を維持するために最も重要ものであり、国民の信頼によりその尊厳性が保障される」との観点から監査要求が高まっている。全米に広がる勢いがある。
この事実に、大きな脅威を感じているジョー・バイデン政権は、各州に圧力を掛け始めた。2021年7月28日、連邦司法長官メリック・ガーランド(Merrick Garland)は、選挙結果の監査を行う州に対し警告をするガイドラインを発行するところまで踏み込んできた。「2020年大統領選挙結果を選挙後に監査を行う場合、連邦法に衝突してしてはならない。我々はこれについて密接に追いかけるだろう」と司法省高官が述べた。
これは州議会に対する強迫に等しい。信じられないことである。
「大統領選挙と連邦議会選挙は、各州議会が議決した法に基づいて実行される」と合衆国憲法と各州の憲法に定められている。州議会の議決は憲法に基づいて、連邦法に優先される。連邦司法長官がこれに介入したならは、明らかに「合衆国憲法と州憲法」に違反する。「司法省が“法の支配”を破壊する」という犯罪行為の証拠を自ら提示することになる。このことは、国民が、司法長官を「国家反逆罪」、又は「内乱罪」の重罪で提訴するという重大事態に発展するのではないか。そうなれば当然、大統領の弾劾発議と弾劾裁判に直結するのではないだろうか。
* 犯罪勢力を強化して、警察力を弱体化することを固く決意している。
2020年5月、米ミネソタ州で黒人男性ジョージ・フロイドが白人警官に殺された事件から、全米で過激な暴動が拡大された。反人種差別運動がすぐに暴動に変わった。次に政治運動も連動された。暴動はミネソタ州ミネアポリスから始まり全米に広がった。特に民主党支配の州や大都市で暴動が大きくなった。警察が犯罪者を取り締まらないように政治圧力がかかった。ワシントンの市長ミューリエル・バウザー(Muriel Bowser)は「既に手に負えなくなった暴動の取り締まりのために軍を送ろうとする」トランプ大統領の提案を断った。イリノイ州ミネアポリスから始まり、イリノイ州(シカゴ市)、ニューヨーク市、ジョージア州、シアトル市、アトランタ市、そしてサンフランシスコ等では、「殺人、略奪、放火、破壊活動」が放置された。損害額は2000億円相当以上と分析されている。シカゴ市では米国独立記念日(7月4日)を迎える週末に77人が銃で撃たれ14人が殺された。7歳の女の子を含む。2020年の独立記念日を迎える前の6週間に、6市で600人が殺された。(ケビン・マックロウKevin McCullough FoxNews America’s Newsroomコメンテイター 2020,7,)
民主党市長の地方都市にも暴動が広がった。これらの暴動の背後に、全米を渡り歩きながら暴動を扇動し、指導するプロフェショナルな組織(Antifa、BLM)が存在した。不思議なことは、未だトランプ政権下であった時だがFBIは全く動かなかった。FBI組織上層が意図的にそうしたようだ。大統領選挙の選挙詐欺でも動かなかったのと同様の理由だろう。
あきれたことに、このような都市では、警察を弱体化させるために警察予算を激しくカットした。暴動を歓迎する政策を選択している。目的は明白である。暴動による恐怖により司法、立法、そして行政のリーダーを脅迫し、一方、国民大衆に対しては警察力による強権政治の到来を希求するよう誘導することである。経済や社会秩序のカオスがもたらす不安と恐怖から独裁政権が生まれる。米国での暴動の拡大とその放置は、自由の破壊による社会主義革命とマルキストによる共産党独裁政権を造る途上の準備段階である。ジョー・バイデン政権とラディカルな民主党は、強権発動をすることにより社会主義独裁体制を造る時を狙っている。
* 米軍の中に≪クリティカル・レイス・セオリーを基礎とするWokeness運動≫を持ち込み、連邦軍を破壊しようと固く決意している。
Wokeness:社会的不公正、人種差別、性差別等に対し高い意識を持つこと
2021年6月23日、連邦下院軍事委員会が開催された。国防長官ロイド・オースティン(Lloyd James Austin III)と統合参謀本部議長マーク・ミリー(Mark Milley)将軍が、最近、連邦軍の中で始められた教育内容「クリティカル・レイス・セオリー(Critical Race Theory)」についての質問を受けた。
共和党議員達が何度も「ペンタゴンが過激主義へ焦点を当てているようだ。過激主義と過激主義者とは何か?過激主義と過激主義者の定義をせずに軍の中に過激主義者の根があると、取り去る為に探している。ペンタゴンの意味する過激主義とは何か?」と質問をしていた。
下院軍事委員会のマット・ガエツ(Matt Gaetz)氏が「空軍中佐マッテウ・ローメイアー氏は軍で広がっているクリティカル・レイス・セオリーについて危険性を感じて、警告を発し、オースチン司法長官がその思想を支持しているのかどうかを訪ねた。それ故に、彼は宇宙軍の指揮官の立場から追放された。」と指摘した。共和党下院議員ビッキー・ハーツラー(Vicky Hartzler)氏は司法長官に質問をした。「司法長官、いったい、国防総省は“過激主主義”をどのように定義するのか。」「過激主義について軍で一日中教育をするのに、定義もなくどうしてできるのか?」
司法長官の解答はしどろもどろとなり、意味をなさない解答となった。正直に解答ができなかったのである。重要部分を意図的に隠してしまったのだ。
クリティカル・レイス・セオリー(Critical Race Theory)
連邦上院議員トム・コットン(Tom・Cotton)氏が、2021年3月に「米軍でクリティカル・レイス・セオリーを教えることを禁ずる法案」の提案を公表した。トムコットン連邦上院議員はこの人種思想は以下のことを教えようしていると述べた。
「人種が人間の最も重要な本質的特徴である。アメリカは邪悪な差別をする場所である。アメリカの人種主義はすべての組織や機関そして生活の基準を作り上げている。白人たちは差別し特権的生活を指導している。そして、有色人種は差別され、アメリカで不利な立場で操作されてきた」
また彼は「この考えは左翼集団や大学の教室等で人気がある。また左翼新聞や主流メディアで評価され活用されている。突如として現れたこのイデオロギーは我々の生活の考え方に入ろうとしている。しかし、標準的アメリカ人には全く不人気である。
この思想はイスラエルとハマスとの戦いを背景にして突如力を増してきた。極左民主党連邦下院議員のアレクサンドリア・オカシオコルテツを始めとする何人かの主張が大きな影響をもたらしている。彼らは、個人重視はせずに世界全体を、人間の集団としてとらえる。“差別する側(イスラエル)”と“差別される側(パレスチナ人達とハマ
ス)”の矛盾による対立と闘争としてみる。彼女はBLMをハマス(パレスチナテロリストたち)になぞらえている。BLM(Black Lives Matter)組織は明確にマルキストであり反ユダヤ主義の組織である。この思想はマルクス主義に基づく。
それは軍の内部に争いの種を蒔き、軍を破壊させる。軍にとってこれほど危険なもの
は無い」と指摘している。(The America Crisis June28,2020 By Elizabeth Vaughn)
クリティカル・レイス・セオリーは少し変形させたマルクス主義そのものである。「階級闘争」の代用に「人種間の矛盾(奴隷制や白人の支配)」、「労働が人間の本質」の代わりに「人種(Race)が人の本質」、そして両者ともに「矛盾(対立する二者の統一と闘争)、闘争が普遍的であり永遠的」と言う存在論を真理としている。共産主義哲学をアメリカ歴史や世界に適用し活用している。
米軍の中に「クリティカル・レイス・セオリーを基礎とするWokeness運動」が広がれば、
やがて米軍は完全に弱体化する。核戦争の緊急事態時に、核のボタンを操作するリーダーたちが大統領の指令に反対して反乱を起こすようになるかもしれない。その時に米国の核抑止力はゼロとなる。反乱兵士達により原子力空母や原子力潜水艦が占拠される事態になるだろう。全米軍のオペレ-ションシステムが、軍内部の勢力により、一瞬に破壊されることも考えられる。
米軍内部では、手の打ちようのない状況にむかって腐敗状況が進んでゆくだろう。世界に歴史上最大の悲劇と害悪をもたらした共産主義哲学により米軍が汚染されることを、法的手段で防御せねばならない。行政権による深刻な過ちの進行を、立法権を持つ連邦議会両院が止めねばならない。米国民は賢明だから、既にこのような事態を知りつつある。2022年11月の中間選挙が大きな変化をもたらすだろう。
バイデン大統領が指名したロイド・オースティン国防長官が「クリティカル・レイス・セオリーを基礎とするWokeness運動」を米軍の中に進めてゆこうとしている目的は何か?これは深刻な質問である。米軍を破壊までしようとしていないとすれば考えられる解答が一つある。それは「米軍を、法の支配とアメリカ合衆国憲法の下の軍から、民主党の軍へと変容させようとしている」と考えられる。中国の人民解放軍のようにしようとしているのか?人民解放軍は国家と国民のための軍ではない。中国共産党に属しており、共産党を保護するための軍である。
普遍的価値観である“法の支配”を否定することは、とてつもなく恐ろしい犯罪につながる。嘗て、160年前に“法の支配”に敵対して挑戦した、それが南北戦争の原因になったのだ。
* アメリカ国民を「検閲」するために、少数の富裕層テック・ジャイアンツ (Tech Giants)を味方にして、司法省を使うことを固く決意している。
2021年7月16日、アメリカ大統領報道官ジエン・サキ(Jen・Psaki)は「誤った情報を掲載するアメリカ人はすべてのプラットフオームから使用を禁止されるべきである。」と伝えた。彼女は前日の記者会見で「我々は誤った情報の調査を増強してきた。それを外科手術トップのオフイスが追跡している。我々は偽情報を広げると思われる疑わしい投稿にFacebookに向けて旗(印)をつけている。」と言った。(Gateway Pundit July16,2021 by Cristina Laila)
ジエン・サキ報道官の言葉は、ニュート・ギングリッチ氏の指摘である「バイデン政権はアメリカ国民を「検閲」するために、テック・ジャイアンツ (Tech Giants)と、司法省を使うことを決断している」が、図星である事を示している。
ただし、一日後には少し中身を和らげた。「もし誤った情報を掲載した場合、一つのプラット
フォームは停止されないで、それ以外のものが停止される。」と伝えた。
2021年1月6日の議事堂の争乱事件の後、ハイテク大手が「さらなる暴力を扇動する危険がある」として、トランプ大統領と支持者らのアカウントを停止することをやってのけた。彼らは言論の自由の尊さを全く認識していないことを自ら吐露した。このような事態の中で、テスラとスペースXの最高経営責任者(CEO)イーロン・マスク(Elon Musk)氏が1月11日、ハイテク大手が今や「言論の自由の事実上の裁定者だ」と述べた。またツイッターである記事に返答し「言論の自由の事実上の裁定者となっている西海岸のハイテク企業に大きな不満を抱く人は多いだろう」とのべた。
ツイッターがトランプ大統領のアカウントを停止する前日に、ミシェル・オバマ氏(前ファーストレデイ)は「トランプ氏のプラットフオーム使用を永久に禁止する」ようにハイテク大手に対して公式に呼びかけた。彼女は公式声明で「今こそシリコンバレーの企業は、この恐るべき行動を阻止するときだ。今以上の行動をとり、この男をプラットフオームから永久に追放し、国の指導者が彼らの技術を使って暴動を煽るのを防ぐためのポリシーを造るべきだ」と述べた。(大紀元日本ウエブ 2021,01,13)
ミシェル・オバマ氏(前ファーストレデイ)が語り掛けた内容はジョー・バイデン大統領と夫のバラクオバマ氏を代理してハイテク大手と主流マスメデイアに協力を要請したものである。彼らが直接語り掛けると未だ現職のトランプ大統領の法的制裁を受けるので、ミシェル・オバマ氏に語らせたものだ。
目的は3つのことであろう。① トランプ前大統領の政治生命を完全に奪うこと
② 全米のトランプ・サポーターの発言と行動を抑える
③ バイデン政権、ハイテク大手、と主流メディアの同盟締結
言論統制システムにより2020年選挙詐欺の証拠を消す
アメリカ合衆国は何処へ?
「法の支配」の下の共和党と民主党へ?
既にのべられたように米国は再び「南北戦争」に突入した。思想と政治的戦争が既に始まっている。それが明確になったのが2020年大統領選挙の過程とその結果であった。反「法の支配」党はDeep Stateとして隠れていたが、大統領選挙の過程で明確に正体を現した。彼らは戦いの準備は終えていて、2020年の大統領選挙と言う戦場でその姿を現した。
米国の開拓時代から育まれ蓄積された「法の支配」の価値観は、米国民主主義の伝統として1620年「メイフラワー盟約」、1776年「アメリカ独立宣言」、そして1788年「アメリカ合衆国憲法」の発効によりほぼ完成した。
しかし、1800年代に「法の支配」を拒否する政治勢力が拡大し、民主党と南部諸州が黒人奴隷制度を肯定して独立を求めた。伝統的価値観を拒否し、欲望を満たすための米国を造ろうとした。共和党大統領アブラハム・リンカーンは全く妥協を受けいれず、南北戦争(American Civil War 1861~65)が起こった。
よく似た同様の対決が2020年に現在のアメリカ合衆国で再び発生した。しかし、大統領選挙での選挙詐欺を処理しようとした、「法の支配」を尊重する人々は、現実には自分たちが既に包囲されていることを発見した。頼りにした最高裁と連邦裁判所と州裁判所、連邦議会上下両院民主党、同共和党エリート議員たち、州知事と州議会議員達、大統領府を構成する司法省(FBIを含む)、ハイテク企業グループ、エリートマスメディア等が反「法の支配」党に浸透され、支配されようとしている事実をしった。2020年の大統領選挙で発生した選挙詐欺問題は力で抑え込まれ、選挙は敗北した。連邦上下両院共和党のエリート議員たちさえもが反「法の支配」党員となっていた。アメリカ国民を裏切ったのだ。
戦いの準備が、敗北の真っ只中で始まった。米国民が目覚めれば行政権と司法権を取り返せる。国民に最も近いのは立法権を持つ連邦上下両院議会である。国民の50%以上は2020年選挙で大掛かりな選挙詐欺が存在したことを認識している。選挙の尊厳性を回復することは国民主権を保護することである。6州のスイングステイト(激戦州)のみならず、50州で議会(共和・民主)両党による厳格な選挙監査を実行する呼びかけは、大きな政治的アジェンダとなる。それは腐敗した地方政治を蘇らせる。既にアリゾナ州は、全米各州の模範となり得る州議会による厳格な法定監査が終わった。結果を公表するときが近い。ジョージア州もそれが始まる。ペンシルヴァニア州も法廷監査をせざるを得なくなりつつある。国民が仰天する選挙詐欺の実態が明らかになろうとしている。
しかし、まず共和党が自らを再建することが重要である。共和党は大統領選の敗北以後大きく変わりつつある。その地方組織は2020年選挙詐欺を容認した連邦上下両院議員を次の選挙では排除する方針を固めている。今や、前大統領トランプ氏の2024年再立候補を期待している。また政治的利益のための党でなく、国民のための党になることを探っている。その第一歩が選挙の尊厳性の回復であり、そのための州議会による2020年選挙の厳格な法定監査である。勢いがついてくれば、「法の支配」を尊重する民主党リーダーたちが合流して、超党派の運動となり、それを通じて両党がともに健全な政党に回復することが始まるだろう。
2022年11月、中間選挙が運命を決める
一年半後(2022年11月)に中間選挙が行われる。この中間選挙は、米国の今後の運命を決定づけるだろう。“米国民主主義の伝統である「法の支配」の下に米国が帰る”か、それとも“反「法の支配」党による独裁専制による支配に向かって歩みだす”かの分かれ道に立っている。 次回の中間選挙では共和党が、連邦議会上下両院の支配を取り戻してくれるだろう。
中間選挙はマスメディアに全米レベルで取り上げられることはほとんど無い。しかし、非常に重要なものである。連邦議会は上院や下院(特に両院)を支配する政党が、政策課題を決定して、思いのままにできる。多数政党が、議会の重要委員会の委員長を決めることができるからだ。大統領の所属政党が両院を支配しているかどうかが、彼の政策遂行能力を決定する。選挙結果によっては米国の方向性と未来に大きな影響を与えるのだ。
上院議員は人気が6年であり、2年ごとに3分の1議席が改選される。2022年には33名が改選される。下院議員は2年ごとに435議席のすべてが改選される。同時に何十名かの州知事、何百人かの市長、何千人もの州議会議員が選出される。州議会議員選挙も非常に重要である。米国の圧倒的多数の法律は、連邦議会ではなく州議会で議決される。
米国選挙民はバランスと均衡を好む傾向が強いといわれる。大統領が民主党であれば、中間選挙は連邦上下両院を共和党が勝利する傾向がある。また大統領が共和党ならばその逆になる。2014年バラクオバマ民主党政権の中間選挙は上下両院議会が共和党に支配された。
2018年のドナルド・トランプ共和党政権下での中間選挙は下院議会が民主党支配下になった。2020年大統領選挙と同時に行われた連邦上下両院選挙では、民主党が両院を支配した。
2022年の中間選挙は、連邦上下両院を共和党が支配する可能性が充分にあるとされる。
中間選挙の勝利により、共和党が連邦議会上下両院の支配を回復すれば、連邦上下両院共和党は新しい段階に入ると思われる。
第一に連邦議会上下両院と、全米相当数の州議会両院が、協力体制をとりながら2020年大統領選挙の監査を拡大し、選挙詐欺と違法選挙の実態を明らかにするだろう。
連邦議会、州議会がそれぞれ特別委員会を造り、調査権を発動し、強制権を持つ調査が開始される。その時には、大統領、大統領府、大統領選挙全国委員会幹部、連邦上下両院議員達、州知事、州両院議会議員そして各レベル選挙管理委員会に至るまでの調査事項が詳細に国民に明らかにされる。大統領の弾劾告訴にふさわしい決定的事実が明らかにされるだろう。
アリゾナ州議会が大統領選挙の法廷監査を行うことに、主流メディアは勿論、現司法長官メリック・ガーランドは脅しをかけて反対した。合衆国憲法と州憲法がともに連邦選挙の執行と調査権限は完全に州議会にある事を認めている。司法長官がそれを執行すれば刑法で処罰されることになる。
Rasmussen Reports(2021年6月23日)
ラスムセン世論調査報告書は「全国レベルの電話とオンライン調査によれば、過半数(56%)の人たちはアリゾナ州のような法廷監査を“選挙詐欺が無かったことを確認するためにも必要であると支持をした。」と発表した。
2020大統領選挙票に対する法定監査の支持者の比率が増大しつつある。主流メディア報道と逆の意識を国民は所有しつつある。アメリカ市民たちの良心が既に事実を知っている
第二に、明確で膨大な「大統領選挙不正」の証拠を提示し、「2020年大統領選挙期間の前後に、FBI及び司法省の中で、誰がどのように調査をしたのか、報告書を提示させ、連邦議会と州議会の特別委員会で問い詰めて、結果を国民に全て報告する」必要がある。特に何故、またどのような根拠に基づき「選挙詐欺だという訴えの中に、選挙の動向に大きな影響を与える証拠は全く無い」と当時の司法長官が宣言したのか明らかにせねばならない。
行動に違法行為があったならば、FBI及び司法省職員は犯罪にふさわしい処罰を受けねばならない。すべての官僚たちはその対象となるべきだ。なぜならば反「法の支配」党員は優秀と言われる官僚上層部に多いからだ。
その為に議会に特別委員会を設置がすることになるだろう。そしてそれは常設委員会となるだろう。解決するべきこの課題は根が深く、広範囲にわたるからである。短期間では終わらない仕事となる。
しかし、主流メディアや反「法の支配」党に騙されているだけのアメリカ国民であろうか?彼らは、そんなに弱く愚かであろうか?アメリカ合衆国独立戦争(1775年-1783年)では、当時の圧倒的大国である大英帝国の正規軍に対し、農民たちが銃をとりアメリカ人の「法の支配」を勝ち取るために8年間も戦い、そして勝利を収めた。その90年後、南北戦争(1861~65年)でも「法の支配」の勝利のために若者たちが志願兵となり立ち上がり、70万人以上と言われる犠牲者を出しながらも戦い抜いて、「神の下の一つの国」としてアメリカ合衆国を守り抜いた。アメリカはいざとなると恐るべきエネルギーを爆発させる。このまま、反「法の支配」党よって米国が崩壊してゆくとは思えないのである。
「法の支配」を葬ろうとすることは!
「法の支配」を葬ろうとすることは、中国共産党と兄弟になることを意味する。
当然、彼らは中華人民共和国に強い親近感を持ち、より深い友好関係を造り、利益を分かち合い、そして共通の敵に対し統一戦線を造るだろう。アメリカ合衆国は、やがて過去とは全く異なる外交・安全保障政策へと転換するだろう。今や日本は、その時のために急いで準備を完了せねばならない。
何故、法の支配を葬る人は共産主義者の兄弟になるのだろうか?それは、「法の支配」を破壊することが人間の最も重要な本質を失わせるからだ。人の良心を殺してしまうからである。冷酷な理性に支配され、良心の呵責さえもなく人を殺すまでに変貌してしまう。
「法の支配」の「法」の意味には二つの領域が含まれている。一つは「自然法(神の意思)」のことであり、それはアメリカ独立宣言(1776年)に核心部分が述べられている。二つ目は合衆国憲法と各州憲法、及びその下にある諸法を言う。宗教的・政治哲学的に使われる時には「法」は「神の意思たる自然法」の意味を表現する。
「われわれは、以下の事実を⾃明のことと信じる。“すべての⼈間は⽣まれながらにして平等であり、その創造主によって、⽣命、⾃由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられている”。こうした“権利を確保するため⼈々の間に政府が樹⽴され、政府は統治される者の合意に基づいて正当な権⼒を得る”。 、、、」
上に記された、人間に与えられた不可侵の人権は“神の意思”(自然法)により与えられたものであるとする。
“「法の支配」を葬る”とは、“神の意思(自然法)”の存在を否定して、自分の意識と生活から完全に消してしまうことである。
「法の支配」を破壊する意思を固めている人は、
「人間存在は存在させられたのではなく、すべての存在と共に偶然に存在している。普
遍的価値は存在しえない。真理、善悪、人としてのあるべき姿等は存在しない。すべて
の倫理や道徳は人の幻想である。どんな違法行為も悪ではない。法律はその社会や支配
者の都合で作ったものだ。悪は存在しない。違法行為は罪や悪とは無関係である。
殺人でさえも罪悪ではない。より良い社会を造る為には殺人も仕方がない。」
と言う境地を実践しながら、人生を生きることになる。
彼らにすれば「生命と自由、そして幸福を追求する不可侵の権利」は創造主たる神が与えたものではなく、社会が人為的に与えたものであり、不可侵の権利は存在しない。自分たちの政治思想的反対者には「生命、自由、幸福を追求する不可侵の権利を認めない」。「その実行は悪ではない。悪は存在しない」と信じて疑わない。
反「法の支配」党がディープステイトとして浸透しつつある米国社会で、米国史上最大の選挙詐欺が行われることは当然である。彼らはそれを犯罪とは思わない。暴露されて、処罰される段階で、呪いでそれに対応する。彼らは権力や富を得るために、可能になさしめるより巧みな方法があれば、それを採用して何でも行う。方法や手段を択ばない。彼らは、「法の支配」を殺した段階で、自らの「良心」を殺しているのだ。彼らはトランプ氏や保守的政治運動を直ちに暴力と結びつけて攻撃する、しかし現実には彼ら仲間同志で殺し合い頻繁に殺人事件が起こる時が来るだろう。そして彼らは自分の責任を政敵になすり付ける。「法の支配」を完全に否定すれば、良心の呵責もなく冷酷に人を殺せる人となる。そしてそのような人たちの大集団を造る。共産主義国での大量殺戮は自分の良心を殺した集団(共産党)による犯罪である。
中国共産党と米国の反「法の支配」党は兄弟である
中国共産党は今も変わらずマルクス主義政党である。共産主義国は例外なく経済が崩壊し、カール・マルクスの資本論を放棄した。誤った経済理論である為、当然のことだが、労働価値説を採用して経済政策を実行した国家は、破綻して極貧国家となった。中国共産党は建前上、資本論を完全に否定できないので、鄧小平の造語「社会主義市場経済」を新政策とした(1992年秋)。それは、共産党が政治支配をする市場経済社会であり、中途半端な市場経済理論に基づくものだった。更に米国に接近して、西側の市場経済を利用して経済崩壊を免れて発展してきた。
また、マルクスの解いた史的唯物論(人類歴史は階級闘争の歴史である。歴史は必然的に労働者階級の暴力革命により共産主義社会に到達する)による共産主義の歴史観は歴史的事実ではなく、学術的に誤りであることが明白になった。社会主義革命は先進資本主義経済国には一つも起こらずに、遅れたロシアや中国のような農業国家に起こった。しかも労働者による革命ではなく、農民や軍人兵士によるクーデターであった。
マルクス主義の経済理論と歴史論の誤謬と矛盾が、共産主義者達を追い詰めた。しかし、彼らは現在マルクス主義の哲学を隠れ蓑にしている。カール・マルクスは19世紀の哲学者の一人であったと言えるだろう。しかし、経済学や歴史学については全くの素人だった。
マルクス主義の哲学は「弁証法的唯物論」と言われている。この哲学思想は現在でも世界のいたるところに生き残り、人類に大きな被害を与えている。日本、韓国、台湾そして米国にも生きている。中国は矛盾の哲学に加えて、孫氏の兵法を適用して外交・安全保障政策を対外的に実行している。北朝鮮でもそれを変形させて活用しているが、その哲学の本質は変わらない。
マルクス主義哲学の核心とは何であろうか。それは「『神は存在しない』と言う『絶対的な信仰』」である。「神が存在しない」と言う確信を「神」としている。そして神の存在を前提とする価値観を全て排斥し存在を許さない。それは、素朴な唯物論や無神論とは異なっており、「戦闘的無神論」として特徴づけられる。
戦闘的無神論は「神の存在、普遍的真理や価値観の存在」を絶対的に否定する。中華人民共和国が共産主義国家である以上、当然戦闘的無神論を破棄することはあり得ない。
2013年3月14日、習近平が中国共産党国家主席に就任した直後からこの傾向を更に強化した。
マルクス主義哲学(戦闘的無神論)の特徴
神の存在は幻想であり、宗教は詐欺であり犯罪行為である。
すべての倫理、道徳、普遍的価値観は幻想であり、存在しない。
「善悪の概念」は歴史的な支配階級や宗教が作り上げたものである。
家庭の道徳倫理的価値観を否定し破壊せよ。家庭も階級闘争の一部である。
反共産主義者への殺戮は罪悪ではない
共産主義理想実現のためには組織的大量殺戮(ジェノサイド)も無慈悲に行う
上記のこれら特徴は習近平政権により、更に明瞭になってきた。
2013年3月に習近平氏が国家主席に就任した直後に、共産党宣伝機関を通して内部通達がインターネットを通して伝えられた。「七不講」(7つの口にしてはならないテーマ)についてである。
① 普遍的価値 ② 報道の自由 ③ 市民社会 ④ 市民の権利 ⑤ 党の歴史的錯誤 ⑥ 特権貴族的資産階級 ⑦ 司法の独立
彼が国民に「七不講」で“国民が口にしてはならない”としたものは、共産党の恥部に関することであり、他は全て普遍的価値であり、それは「法の支配」に係る事である。普遍的価値とは「法の支配」を構成する重要な価値観を意味している。自由、生命、そして幸福を追求する権利であり、それを保護し、そして保証するために司法、立法、行政の三権分立とチェック・アンド・バランスがもたらす「国民の、国民による、国民のための政府」等のことである。「七不講」のほとんどは「法の支配」に対する攻撃と言える。「共産主義社会に到達するためには、反対する人たちを殺しても罪悪ではない」と良心を殺して、冷静に良心の呵責なく一億人もの人を殺してきた。今もウイグルの人たち、チベット人、そして法輪功(ほうりんこう中国の気功集団。吉林省出身の李洪志氏が1992年に創始 実践者や学習者が弾圧前に1億を超えた)の人たちを殺し続けている。中国共産党は健康人を処刑し、内臓器官を摘出し、臓器移植を世界の富裕者に売る。このようなことは人にはできない。闘争的無神論は人間を悪魔に作り変える力を持つのだ。
かくして、中華人民共和国とは「徹底して『法の支配』を破壊した国」であることを認識できる。それに対して米国の反「法の支配」党のディ―プステイト勢力は「法の支配」を破壊する途上にあるものである。しかし、米国にも悪魔が現れ、徘徊を始めた。“中国共産党”は米国の“反「法の支配」党”の兄であり、両者は人類にとり極めて危険な兄弟である。
さて、アメリカ合衆国は何処へ?
米国の今後を約10年程度のスパンで見る時にどのようになるかの見通しを立ててみたい。
三つの形態のどれか、又は複合型へと進展してゆく可能性が考えられる:
1 「法の支配」の回復と伝統的アメリカ民主主義への回帰
2 戦闘的無神論者による専制的独裁国家に急激に向かい始める
3 米国の分裂(「法の支配」連合国と、反「法の支配」党連合国)
1 「法の支配」の回復と伝統的アメリカ民主主義への回帰
2020年大統領選挙期間中にドナルド・トランプ大統領は「MAGA」のスローガンを赤い帽
子に表示して国民運動を展開した。「MAGA」(Make America Great Again アメリカをもう一度偉大にしよう!)はレーガン大統領の使用したスローガン(1980年)を自分の国民運動に相続したものだ。トランプ大統領の主張の要点は「米国は救う価値のある偉大な国、再建(Rebuilding)が選ぶべき道」である。「建国の父達とその価値観を守り、子供達の教育を守れ。マスメディアによる文化を破壊するキャンセルカルチュアー運動に勝つ」というものだ。
ジョー・バイデン現大統領のスローガンは「アメリカを再建したくない。概観や中身も一変(Transform)させたい」というものだった。まさに彼は、反「法の支配」党員である。ニュート・ギングリッチ氏は、「歴史上の大統領候補の中でも、最も反アメリカ的な人である。」と指摘している。キャンセルカルチャー運動を支持し、暴徒が建国の父の銅像を汚しても一度として諫めたことが無い。過激派左翼Antifaやマルクス主義者が指導するBLM(Black lives Matter)運動が全米で起こした暴動に対して、ひたすら沈黙した。バイデン大統領が指名したロイド・オースティン国防長官が米軍内部で「クリティカル・レイス・セオリー」の教育運動を始めたことは、現政権の本音を現している。
現大統領は正体がマルキストであるのに、自分の政治的立場の保護のために仲間の連邦議員や民主党員達をさえもだましてきたといえる。これらは今後ますます明らかになり、米国民により連邦両院議員の中間選挙により審判されるだろう。
共和党は前大統領トランプ氏が非常に強い指導体制を固めつつある。次の中間選挙の立候補者達は先を争って彼の公認を得ようとしている。トランプ氏は2020年選挙の尊厳と正当性を守る為に、全ての選挙票の法的監査を各州で行うことを中間選挙の主要な課題(Agenda)として掲げようとしている。「アリゾナ州や 、、、州に続け!」がスローガンになるだろう。共和党議員の大多数は同意している。民主党議員候補者達は各州で苦しい立場に立たされるだろう。「選挙の法的監査を反対するのは、隠さなければならない違法行為があるからだ」と選挙民から疑られる。「犯罪行為が無いことを証明する」には法廷監査を行う以外に方法がない。
選挙詐欺と違法行為の実態と証拠は、全米の連邦両院議員選挙、多数の知事選、そして何千人という全米各州議会両院議員選挙で明らかにされる。2020年選挙の時のように主流メディアは力が無い。国民の58%は「主流メディアは真に国民の敵」として認識するようになった(Rasmussen Reports 2021 ,07,09 )。
「2020年選挙の正当性と尊厳を確認する」運動は、民主・共和両党の超党派的なものになるだろう。各州議会による「選挙票の法廷監査」を行うことが、中間選挙の主要な課題(Agenda)として広く広がる。
民主党議員達は極左に支配された黒い背景を持つ民主党指導層に失望し、反発して、分裂する可能性がある。既にそれはアリゾナ州やジョージア州で起こりつつある現象だ。アリゾナ州の選挙法への法廷監査の資金集めで最大の貢献者は、“2020大統領選挙でジョー・バイデンに投票した民主党員”であった。彼は全体の3分の1を寄付した。このような動きがますます拡大するだろう。国民の良心は理性や情報を超えた知恵を持つ。2022年中間選挙が国民による審判となり、「法の支配」の回復と「伝統的アメリカ民主主義への回帰」へと急旋回させる。
そ後2年間をかけて、憲法と法の手続きに従い、連邦両院議会と州の両院議会の法的処置により、反「法の支配」党は急激に力を喪失してゆくだろう。そして2024年の大統領選挙を迎える。
2 戦闘的無神論者による専制的独裁国家に向かい速度を上げる。
「法の支配」の価値観が廃棄処分されて、米国が戦闘的無神論者による支配をうけて中国化する。2022年中間選挙で民主党が勝利をして、連邦上院と下院で過半数の議席を得て両院を支配する。そしてジョー・バイデン大統領が、強力な行政権を行使できる情勢が生まれた場合に充分起こり得る米国の未来の見通しである。
2021年7月15日、共和党重鎮、元連邦下院議長ニュート・ギングリッチ(Newt Gingrich)がFox News Hannity Show に出演し、アメリカ国民に向けて爆弾発言をした。
「過激な民主党が南北戦争以来の最大の脅威である」と宣言した。
彼は民主党のエリート主義者の行動が、腐敗をもたらし、また彼らが共産主義者であるということの深刻な現実を参加者達と分かちあった。この時に彼らの動きをみるうえで不可欠な4つの重要ポイントを指摘した。
これらの4つの分野に上下両院民主党指導部「立法府」とジョー・バイデン大統領「行政府」は手をまわし、着実に目的に向かい進展させている。
① 民主党は党派的目的を果たすために連邦政府の力(行政機関)を使うことを固く
決意している。司法省とFBIにより選挙票の法廷監査をする州議会を脅迫、Big
Techsによる個人情報の検閲、メディアの情報提供により共和党系議員の名誉棄損、左
派が支配する連邦・州裁判所の活用による州議会の選挙票・法廷監査への妨害、等々を
強める
② 犯罪勢力を強化して、警察力を弱体化することを固く決意している。
暴力集団の活動を放置して、破壊活動を強化する。更に地方で保守系政治リーダーのテロリストたちによる暗殺が起これば極めて危険な段階に入ったことを示す
③ 米軍の中に≪Wokeness運動≫を持ち込み、軍を破壊しようと固く決意している。
(Wokeness運動:社会的不公正、人種差別、性差別を解決する意識啓蒙と行動を促す)
クリティカル・レイス・セオリー教育による「軍に編入される新兵たち」への思想教育工作の進展、思想教育によりマルキストが運用できる別の軍を内部に造る、軍の将軍たちの身辺情報の収集と名誉棄損による軍組織の弱体化(軍内部の矛盾の極大化)
④ アメリカ国民を「検閲」するために、少数の富裕層テック・ジャイアンツ (Tech Giants)
を味方にして、司法省を使うことを固く決意している。
2022年11月の中間選挙前に、連邦両院議会で新法(最高裁判事9人を増員して、新判事6名を追加して、計15名とする)を議決し、大統領が新判事を指名して、連邦議会上院が承認する。こうして、言論の自由に関するすべての裁判で勝利できる体制を造る。
連邦最高裁判事達と下級連邦裁判事の身辺情報を調査し、そして弱点を把握して脅迫し服従させる。検閲はTech Giantsと左翼主流メディア記者たちが行い、FBIがそれを活用する。最高裁を脅迫して、反「法の支配」党による言論統制の体制を達成できる。
アメリカ国民の誰であれ「検閲」に従わせることができる。
3 アメリカ合衆国の分裂(「法の支配」連合州と、反「法の支配」党連合州)
「法の支配」の価値観が三権(司法、立法府、行政府)内部で破壊され、アメリカ合衆国が戦闘的無神論者による専制的独裁国家に向かい始める時に、全米の50州がその流れに身をゆだねるだろうか?アメリカ人達は「法の支配」の下にあるアメリカ民主主義がいかに優れた政治形態であるかを自覚し、誇りを持っている。必ず逆の流れが起こり、「法の支配」を取り戻そうとするであろう。彼らは国家が豊かで巨大である事を誇っているのではなく、「自然法」即ち「神の意思」の下にある事に「希望と誇り」を持っているのである。
アメリカ独立宣言は「政府が独立宣言の目的にとり破壊的となるときは『人民の権利』として『新しい政府を設立できる』ことを宣言している。
「如何なる形態の政府であれ、これらの目的にとり破懐的となるときは、改変ないし廃止し、最も人民の安全と幸福をもたらすにふさわしい諸原理に基盤を置き、またそのような形で権限を組織するような、新しい政府を設立することが人民の権利である」
(アメリカ独立宣言 1776年)
「これらの(独立宣言が示している)の目的にとり破壊的となる」の「これらの目的」とは何か、それは以下のとおりである?
「以下の真実を自明なものとみなす。すべての人は平等に作られ、その創造主によって、生命、自由、そして幸福の追求を含む、奪うことのできない一定の権利を与えられている。
これらの権利を確保するために、人々の間に政府が設けられ、その正当な権限は非統治者の同意に由来する」 (アメリカ独立宣言 1776年)
2020年12月8日、テキサス州ケン・パクストン司法長官(共和党)が4州(ジョージア、ミシガン、ペンシルヴァニア、ウイスコンシン)を連邦最高裁に提訴した。
テキサスの提訴に賛同して他の17州と更に連邦下院議員(共和党)の106人(約2分の1)がその提訴を強く支持して加わった。
しかし、同年12月11日、連邦最高裁はその審理を簡単に却下した。実際、提訴の根拠である証拠を示す書類を吟味して検討することもなく、却下した。
審理の却下理由は簡単な表現のみだった。「提訴が、合衆国憲法3条に対応する裁判にふさわしい内容になっていない。」と言うものだった。この判決に対しテキサス州は知事と州議会を始めとして激しく反応した。
州共和党委員長アレン・ウエスト氏は直ちに声明書を発表した。それは、連邦最高裁が下した極めて簡単な判決が、米国の近未来に何をもたらすかを見通したものであった。
「連邦最高裁の判決の意味は『州は単独で州憲法に反することができる。また州議会が定めた選挙法も違反できる。更に州が合衆国憲法にも違反できる。その責任を負う必要は無い。』と言うものであり、前例を打ち立てた。法の下にとどまろうとする州はともに団結し、合衆国憲法と各州憲法のもとに州連合を形作るべきだ。テキサス州だけであったとしてもGOPは「憲法と法の支配」のために立ち上がる 、、、」
この声明文は長い間、連邦最高裁を見つめてきて「やはり、そうだったのか」と言う、落胆に怒りを込めての訴えである。“最高裁は「法の支配」と憲法の保護を軽視して、その拡大解釈をどこまでもすすめて、法の支配と憲法を破壊しようとしている”と断じたようだ。
この最高裁判決は最高裁内部からも重大な懸念として訴えられた。
2021年2月22日、合衆国最高裁が、2020年大統領選挙で発生している選挙詐欺と違法選挙等に対する提訴を何も吟味せずに全て棄却した。その直後に“異議ありの論文”を三人の保守派連邦最高裁判事が発表した。このようなことは極めて異例のことであるという。
「合衆国憲法は、連邦の選挙の在り方を決定する権限をそれぞれの州議会に与えている。しかし、2020年大統領選挙の前後にはいくつもの州で、行政高官や官僚が選挙のルールを決定する権威を州議会の代わりに自分の上に置いた。その結果、通常にあり得ない多数の反対請願とこれらの変化に反論するための緊急申請を受け取った。
ペンシルヴァニアの州議会は郵便投票を受け付けるための最終時間を投票日(11月3日)
の夜8時と明確に設定していた。ところが、それに不満なペンシルヴァニア最高裁が、郵便投票受付の最終時間を3日間延長させた。これに対する提訴を審議することを連邦最高裁が棄却した。この審議拒否は不可解である。 、、、」
(連邦最高裁クラーレンス・トマス判事)
言わんとすることは極めて明白である。最高裁判決が「法の支配」と合衆国憲法と州憲法を否定し、主権者たる国民の選挙権を傷つけたことに対する批判である。
保守系判事である他の二人(アリート最高裁判事とゴーサッチ判事)はトーマス判事の意見書に同意を示して、自分たちの見解も加えた。
「この法的審議を再調査するべきである。これらに対する最高裁判決は重要で、何度でも繰り返される憲法上の疑問を示した。それは下級裁判所を二つに引き裂いた。、、、」
最高裁を始めとして下級裁判所まで二つに引き裂かれ始まった。当然50州は二つに分かれ始まる。「法の支配」の下の州と、反「法の支配」党の州との対立が激しくなる。2020年大統領選後、最高裁に提訴をする時には、「法の支配」を強く尊重するテキサス州と共に提訴したのは17州だった。さて「法の支配の下」か「反『法の支配』党の下」かを選ばねばならないとしたら、この時の他の残りの州はどちらを選ぶだろうか? テキサス州と17州側だろうか?自分たちの州憲法を持ち、自由の下で、強い自治を行使してきた各州が、州の権利を否定し中央集権的独裁体制に至る運命を選択するだろうか? 3分の2以上の州が「法の支配」の下の州である事を選ぶだろう。南北戦争の時のように。
2021年12月15日
共創日本ビジネスフォーラム研究所
【コスミックアイ・第16回】
アメリカ合衆国はどこへ行くのか ― その3
“反「法の支配」党”によるクーデター
2021年1月6日、合衆国連邦議会両院合同会義が開かれた。連邦議会上院のプレジデント・ペンス副大統領が主役となり執り行われる極めて重大なそれであった。各州で選出されたすべての大統領選挙人数が公認され、トランプ、バイデン両者が獲得した選挙人総数が最終確定される。その結果、過半数を超えて、より多数票を得たジョー・バイデン候補が第46代大統領として選出された。
しかし、この決定行為のプロセスは憲法の根本にかかわる重大な疑問を残した。
米国各界のエリート集団は「選挙詐欺の可能性」を完全排除した
選挙は詐欺や違法行為がつきもの
それ故に司法機関等は特に注意深く事の推移を見つめ、法により与えられた権限を行使して、不法行為を最小限に抑えなければならない。それにより民主主義国家は選挙の尊厳性を保つことが可能となる。選挙の尊厳性を失えば、法の支配は失われる。そして暴力がのさばり混沌が支配するか、または狂暴な独裁権力が支配する国となる。
2020年大統領選挙の勝敗を決する激戦区の6州では、過去に経験したこともない大掛かりな違法選挙や詐欺が行われたことがトランプ選挙陣営、各州共和党議員や活動員と弁護士たちからも指摘され、膨大な証拠が提示されてきている。既に、11月3日の投票が終了する前後に大きな騒ぎとなっていた。しかし、それに基づき70数例の告発が各州裁判所に行われたが、州裁判所はただの一つも取り上げることもせずに棄却した。証拠不十分との理由で棄却され、公判は無く、原告は証拠提示もできずに無視された。
テキサス州が合衆国最高裁に告訴し、それに続いて17州が告訴した。「ジョージア、ミシガン、ペンシルヴァニア、ウイスコンシンの4州は、それぞれの州選挙法に違反して法律を変えた。また選挙を実行する過程では米国憲法に違反し、深刻な違法行為を行った。結果として米国各州の有権者が不平等な対応を受けた」と提訴した。
しかし、公判は全く行われずにこれも棄却された(2020年12月11日)。理由は「提訴州は提訴された4州とは利害関係が無い。ゆえに提訴する立場にない」とのことだった。極めておかしな判断だ。最高裁のこの判断が、今や、テキサス州を始めとするすべての州民の経済と治安に対して、きわめて大きな打撃をもたらしている。大統領選挙の不正行為は米国50州の利害関係に直結しない筈がない。
バイデン大統領の不法入国者政策により「メキシコ国境からの違法入国者が激増」した。
国境の壁を撤去して、違法入国者を無制限に受け入れることを宣言していたからである。
ジョー・バイデン新大統領就任後5か月にもならないのに、違法入国者の拘束が4月だけでも17万8千人(税関・国境警備局)に及んだ。20年ぶりである。単独で保護された子供が1万7千人に達する。彼らは劣悪な収容所で生活している。これは子供に対する人権問題である。2021年は不法入国の拘束者が約200万人に達する見通しだ。6月に入り、カマラ・ハリス副大統領がメキシコからガテマラを訪ねた際に、テレビ演説で「米国に来てはいけない。」と何度も繰り返して訴えて失笑を買った。民主党政権にとってさえも手に負えない事態になりつつある。
最高裁判所が「テキサスを始めとする提訴州は利害関係が無い」として棄却した判断はあまりにも幼稚な、いや傲慢な判断であったと言わざるを得ない。あきれ果てたことに、連邦最高裁が苦し紛れの弁明をしたのだろう。本音は最高裁が重大な政治判断に係ることを恐れたのであろうか?
それにしても有権者7000万人以上の支持者を背景として、幾多の違法行為の証拠を提示しながら告発したもののすべてが無価値であるかのように簡単に棄却された。如何なるものだろうか。その対応は、選挙詐欺が全くあり得ないことを前提としている。主権者たる国民を無視したあまりにも傲慢な態度であるといえる。最高裁を始めとする各州裁判所判事たちは主権者ではない。国民に仕える公務員である。その逆転は許されないことだ。
バイデン陣営、民主党全国委員会、各州地元民主党及びエリートメディア(BigTech等ソーシャルメディアを含む)は「歴史上最も公正で完璧な選挙だった」というプロパガンダを徹底的に展開した。現職のトランプ大統領によるツイッターやフエイスブックでの主張「米国史上最大の違法選挙である」を「陰謀論」と結論付け、現職大統領のアカウントまでもが永久閉鎖された。トランプ大統領の支持者たちもフエイスブック、ツイッターのアカウントを閉鎖され、ユーチューブの映像を除去された。この現象は米国から世界にも拡大された。彼らはソーシャルメディアから追放されたのだ。トランプ陣営の主張を排除するために「陰謀論」というレッテルを張った。驚いたことに、その様は毛沢東の陰謀により中国で起こった文化大革命運動(1966年から1976年)を彷彿とさせる。それの米国版のようであった。彼らは自分達が知っている黒い秘密を隠すために扇動して、全米の大都市がヒステリックになったかのようであった。
不思議なことに、司法省のFBIは違法選挙の実態を真剣に調査しようとはしなかった。司法省全体、特にFBIはバー司法長官の精神をそのまま反映させていた。ABC Newsのワシントン主任記者ジョナサン・カール(Jonathan Karl)は、トランプ政権末期時に、バー司法長官に直接インタビューした内容を中心に「11月の裏切り」という題名で出版しようとしている。
ショッキングな事実が明らかにされた(雑誌:the Atlantic on Sunday)
ウイリアム・バー司法長官は次のように語った。
“もし選挙詐欺の証拠があったとしても、それを抑える動機は持たなかった。私が疑い
を持つようなものは何もなかった。それ自体が雄牛の糞だった。「全国的規模でトランプ票がバイデン票に転換されるように、投票機が操作されていた」という主張の正体を既に暴いていた。我々は最初から捜査が全く無意味なものであることを理解していた。“
“上院多数党(共和党)リーダー、ミッチ・マッコーネルから自分(バー司法長官)に「トランプの選挙詐欺の主張」を攻撃するように何度も繰り返して要求する電話があった。彼は「君がトランプを説得する以外に誰もできない。」と言った。私は「それはよくわかる。適度な時に実行しようとしている。」と答えた。”
連邦議会上院(立法府)のトップと、行政府で大統領を代理する職務の長である司法長官が共同謀議により大統領を組み伏せようとしていた。「行政権」は合衆国憲法第Ⅱ条により、「大統領一人」に委ねられている。ウイリアム・バー司法長官の行為はアメリカ国民を裏切る違憲行為である。このようなことが黙認され、指摘もされていないところに現在の米国が尋常でないことを示している。
「アメリカ合衆国最大の敵」は政権中枢にいた
2021年1月6日、合衆国連邦議会両院合同会義が上院のプレジデント、ミカエル・リチャード・ペンス(Michael Richard Pence)が主役となり執り行われた。各州で選出されたトランプ、バイデン両者が獲得した大統領選挙人の総数が最終確定されて、新大統領が決定された。この両院合同会議は慎重なプロセスを経ねばならない。各州の選挙人の選出のプロセスに不正があると考えた場合には、一人以上の上院議員と下院議員が「不正が行われた大統領選挙人の資格」に対して、両院合同会議全員の前で異議を申し立てることができる。その理由を十分に説明することができる。異議を申し立てる議員の申請は上院5名以上、そして下院100名以上に達していた。
1876年の大統領選挙問題
2020年大統領選挙で激戦州六州に発生した大規模な選挙詐欺のような事態は、米国憲政史上極めてまれな事件(初めて)だが、1876年の大統領選挙に於いてよく似た事態が発生したことがあった。その時に、このような事態を解決するための法的前例がつくられた。三州(フロリダ、ルイジアナ、サウスカロライナ)で大掛かりな選挙詐欺が行われ、共和党と民主党の紛争が生まれた。三州の議会共和党と民主党がそれぞれ異なる大統領選挙人認証書を連邦議会に提出した。
共和党大統領候補はラザフオード・ヘイズ、民主党候補はサミュエル・ティルデンであり最終的に一票差で共和党ラザフオード大統領が選出された。新しく作られたいくつかの問題解決方式は、合州国憲法に沿ったプロセスを厳密に選択していた。上院プレジデントによる連邦議会両院合同会議では、問題を起こした三州の二重に出された大統領選挙人についての「可・否」は決定しなかった。その代わり、連邦上院議員5人、同下院議員5人、そして最高裁判事5人を選んで「選挙委員会The Election Commission」を結成した。正確な事実を把握する為に「召喚状subpoena」(出頭の拒否や、嘘の証言には罰則が適用される、証拠の提出を命じることが可能)を出す権限が与えられ、徹底的に事件の調査を実行できる様にした。「選挙委員会」と連邦議会両院は判決を出さずに調査情報と証拠を詳しく三州の議会両院に伝えた。「二重に提出された大統領選挙人のどちらを選択するのか、あるいはすべての選挙人を否定するか」はそれぞれの三州の議会が議決をして決定した。その結果、州議会の決定に基づき大統領選挙人が選ばれ、彼らの投票により新大統領が選出された。
このプロセスは重要である。「各州で選ばれる大統領選挙人は連邦議員や連邦政府機関及び関連する組織で働くものであってはならない」と合衆国憲法第Ⅱ条が規定している。また彼らは「各州上下両院議会の指導に基づき選ばれねばならない」とも規定されている。大統領選挙人の選出は州議会が行うものであり、連邦議会が行うべきではない為、上記のように規定されていると容易に理解できる。1876年大統領選挙で起こった三州の巨大な選挙汚職事件は憲法にそった形で一応解決された。一般的に三権のトップである大統領、連邦議会、最高裁判事には何を行うにしても「憲法に沿った法手続き(Due Process)に従う」ことが要求される。司法、立法、行政の三権はそれぞれが大きな憲法的義務を負っている。それに反する行為、議決、判決は違法であり無効となる。なぜならば、合衆国憲法は国の最高法(Supreme Law of Land)であり、それを守ることによりアメリカ合衆国の統一と発展が保たれてきたからである。
現職共和党上院議員達の宣言
オクラホマ(Oklahoma)州選出のジェイムス・ランクホード(James Lankford)上院議員がFox News Channel’s “Justice”に出演し、Jeanine Pirro判事と対談した。ほとんどすべての話は“1月6日の連邦議会両院合同会議で異議を申し立てる上院議員たち(Ted Cruzと約10人)の意図”についてであった。
“ 1876年の大統領選挙で、三州ではあらゆる大規模な選挙詐欺が行われた。この時に問題解決の為に造られたのが選挙委員会(The Election Commission)であった。それは連邦上院議員5人、同下院議員5人、そして連邦最高裁判事5人で構成され、三州の大掛かりな選挙詐欺の実態を調べた。今やそれを振り返り研究できる。この機構を推薦する。我々はそれが良い計画だと思う。明らかに何百万人ものアメリカ人達は通常ある選挙詐欺問題と並行して重大問題が背後にあると考えている。たくさんの裁判所が事件の告発を受け付けた。各州はそれを確認した。より多くの事実が未だ出てきつつある。直ちにすべての事実を明らかにできるやり方が正しいと思う。大統領就任の前に事実を調べて明にして全ての州(特に6州)にそれらを伝え、各州が大統領選挙人の選出に対し態度を決定できるようにすることが正しいやり方である。
我々は10日間で調査を完了したい。これを10日間監査と呼んでいる。1月16日までに終わる。20日の大統領就任日に充分間に合う。
合衆国憲法によれば、我々の政府組織においては、全ての州が大統領選挙人団を通して大統領を選ぶようになっている。2021年1月6日の連邦議会合同会議が(州が選挙人団を決定する権限を)乗っ取ろうとすることはあり得ない。合衆国連邦議員は、この大掛かりな選挙詐欺問題を解決するためのより良い計画を設計することで、連邦憲法に沿うことにより責任を果たし、課題解決の権限をその州に返そうとするのが当然だ。そして全州に言う。「もし、各州が送ってきた人たちを評価し直すのか、又は変えたいなら、当然どの州でもそうできる。しかし、どの州も自分達の州議会でその決断ができねばならない。」
アメリカ合衆国連邦議会の唯一の責任はそのプロセスを監督し、それが正確に果たされているかどうかを確認することである。州(問題の州を含めて)こそが実際に大統領選挙人を決定できる」”と述べた。
上院プレジデントと連邦議会両院が「合衆国憲法」を“侵害”した?
アメリカ議会は1月6日の両院議会合同会議に向けて、いくつかの規則や手続きを定める決議案を採択した。この決議案は共和党上院リーダーであるミッチ・マッコーネルにより提案され、下院議長ナンシー・ペロシが合意して、可決は上下両院による口頭でおこなわれた。
採択された手続きには、いくつかの問題州の選挙人票に異議を申し立てることや、その後の憲法上重要なステップについては一切含まれていなかった。しかし、“大掛かりな選挙詐欺が多くの証拠の提示により疑られている6州の大統領選挙人選出”に関して、異議を申し立てる100人以上の共和党下院議員とテット・クルーズ氏を始めとする共和党上院議員11人が、これらの州の投票監査をする“監査委員会”を設置するように既に議会には要請をしてあった。
議員たちは各州の大統領選挙人の投票結果に異議を申し立て2時間の討議をすることはできた。しかしその後直ちに上院と下院に分かれ、議決によりそれらすべての州の選挙人が公認されることが決定された。上院プレジデントのマイク・ペンス(副大統領)により選挙結果が公認され、「ジョウ・バイデン氏が第46代大統領として当選した」と宣言された。
これは奇怪なことであった。ミッチ・マッコーネル上院共和党リーダーは両院合同会議の手続きと規則を“当該州には大掛かりな選挙詐欺は全くなかった”との立場から、ナンシー・ペロシ下院議長(民主党)に提案し、且つ合意をしていたことになる。
ミッチ・マッコーネル上院議員は、大統領選挙(2020年11月3日)直後からトランプの選挙陣営が主張していた「ペンシルヴァニア、ジョージア、他4州で大掛かりな選挙詐欺が行われた」との主張を無視していた。共和党上院議員がトランプ大統領の主張を支持し応援しないように圧力をかけることまでした。上院議員のみならず、大統領行政権の中枢である司法長官ウイリアム・バーに対してさえも、「大掛かりな選挙詐欺が行われたという主張は馬鹿げている。攻撃してやめさせるように!」と何度も働きかけていた。司法長官はその見解に深く同調し「それはよくわかる。適度な時に実行しようとしている。」と答えた。
ウイリアム・バーは2020年12月1日に記者会見を開いた。「司法省は2020年の選挙結果を翻すような大きく広がる詐欺を明らかにできていない。・・・FBIは個々の選挙詐欺を訴える人たちに従って調査をしてきた。しかし、選挙結果を翻すものは未だに現れてこない。」と主張した。彼は12月25日に司法長官を辞任した。彼らは調査の始めから、証拠を無視することを決めていた。民主党やマスメディアの主張(2020年大統領選挙は最も公正だった。大掛かりな選挙詐欺の主張はトランプの陰謀である)に服従することにしていたのだ。共和党のトップエリートたちはトランプ大統領を葬る為に民主党と共同戦略の下で動いていた。
1月6日の両院合同会議には大きな疑問を持たざるを得ない。副大統領であり、上院プレジデントであるマイク・ペンス氏の責任と権限、そして行動の事実についての憲法上の疑念である。この会議で、上院プレジデントとして最も重大な権限と責任を持つ人は彼であった。彼の責任は、「連邦両院議会が問題州の大統領選挙人を決定するのではなく、各州議会が憲法に基づく権限を行使して決定す」るように導く事であった。合衆国憲法は「両院議会と上院プレジデントが、州議会に代わり大統領選挙人を決定する権限を認めていない」のである。
ペンス副大統領は合同会議で、“問題6州で選出されたという大統領選挙人”に対して、異議を申し立てた「100人以上の共和党下院議員」と「テット・クルーズ氏を始めとする共和党上院議員11人」の提案を尊重し、あくまでも憲法にそった解決法を追求するべきであった。彼らが提案した「連邦上院議員5人、同下院議員5人、そして連邦最高裁判事5人による選挙委員会」が10日間の監査を徹底的に実行すれば、それがどのような内容であったとしても選挙の正当性や尊厳性を国民の心にもたらすことができた。トランプ・バイデン両候補には、選挙票に照らせば、それぞれに7,000万人、8000万人以上と言われる支持者(主権者)が連なっている。両院合同会議で作った「選挙委員会」や「連邦議会」が、調査の結果に基づいて「選挙人選出の正・不正」の判断をしてはならない。「各州議会が議決するための判断の根拠を10日間の調査により提供する」のが両院合同会議の憲法的な責任である。このようなプロセスへの流れを指導することが「マイク・ペンス連邦議会上院プレジデント」の憲法的責任であった。
しかし、このようなプロセスと方向は全く無視された。異議を唱えた議員たちの訴えと二時間の議論は認められたが、それが終わると、上院と下院で一州ごとに議決をして正当な大統領選挙人として決定した。最終的に上院プレジデントのマイク・ペンス氏がそれらを公認して、大統領選挙人の獲得投票数306票を得たジョー・バイデン大統領候補の勝利を最終公認した。
実行された行動プロセスは上院プレジデントの承認が前提にあって行えたものである。マイク・ペンス氏の反対があれば実行できなかった筈である。合衆国副大統領と連邦議会上下両院が連携してアメリカ合衆国憲法を無視した違法行為を実行したことになる。
ミッチ・マッコーネル上院トップリーダーが民主党極左と言われるナンシー・ペロシ連邦下院議長と共謀したことのみが、反憲法的決定の原因ではなかった。驚いたことに、マイク・ペンス副大統領が同意して指導していたのだ。中華人民共和国の共産主義と対決し、自由と「法の支配」の下に平和秩序を世界に勝ち取るべきアメリカ合衆国であるが、その最大の敵はその心臓の中に隠れていたのである。
今後、米国に何が起こるのか?
独裁者は暴動を偽造して独裁体制を完成する
このような戦術は、共産主義運動が歴史的に実行してきたものである。
事件は2021年1月6日に首都中枢の連邦議会議事堂ビル施設内で起こされた。そして、それを大事件に仕立て上げた。連邦議会議事堂内で起こった大事件であれば、当局が強権を行使して自由や人権を侵害しても国民が黙認するだろうからだ。
一月六日は連邦議事堂の議場内で大統領選挙人票の公的承認を検討し、バイデン新大統領がその場で誕生するか否かが決定される重大な日であった。また同時にトランプ大統領とその支持者たちが連邦議事堂の対岸広場で大集会を開催していた。やがてトランプ支持者の何十万人かの参加者の一部が議事堂内に侵入したという(しかし、侵入ではない。DC警察官が人々を議事堂内に入れ、案内する映像が公表されている)
午後2:29頃に親トランプ勢力が議事堂内を急襲し占拠したとされている。この時の紛争で二人の女性と一人の男性が死亡した。一人の女性はアシュリー・バビット(Ashli Babbitt、35歳)さんであると報じた。首を警察官に撃たれて死に至った。警察官は告発されず、名も発表されていない。しかし7月10日時点で情報調査筋からその警察官の名が漏れてきた。民主党上院トップ、チャック・シューマー(Chuck Schumer)議員の私設セキュリテイの一人であるという。
司法当局がダブルスタンダードで法権力の行使をしているとも思える。2020年5月、ミネソタ州・ミネアポリスで一人のアフリカ系アメリカ人(ジョージ・フロイド氏)が警察官によって殺された。主犯者と思われる警察官の名は直ちに公表された。しかし、白人女性のトランプ・サポーターが、しかも何の武器も持たずに、議事堂警備の警察官に促されて建物の中に入った結果、首を討たれその場で死に至った。捜査当局は犯人の名を隠しており、彼は告発もされていない。警察官が身の危険を守るために仕方なく射殺したのだろうか?状況調査の情報も一切の説明がない。この二つの事件は、ともに民主党首長が統治する地域で起こっている。底知れない暗闇が背後にある匂いがする。
もう一人の犠牲者の女性はアフリカ系アメリカ人・ローザン・ボイランド(Rossane Boyland)さんだった。彼女は警察の圧迫で人々が折り重なって倒れ、その下敷きになった。隣にいたもう一人のトランプのサポーターであるアフリカ系アメリカ人・フイリップ・アンダーソン(Philip Anderson)氏もその下敷きになった。彼はローザンさんが死ぬときに手を握っていた。やがて彼も意識を失った。しかし彼は死なずに済んだ。事の次第を社会に訴えることができなかった。彼のオンラインアカウントと声はテック・ジャイアンツ(Tech Giants)により全て停止されてしまった。(The Gate Way Pundit 2021,07,18)
同日には532人もの人が逮捕され、投獄されている。もうすでに6か月に及ぶ。その中には議事堂に入らず、周辺を歩いていた一家族の5人が全員逮捕され、投獄されているという例もある。彼らは未だに裁判もなく拘束され、孤立させられている。告発内容も全てが明らかにされていない。当局にはビデオ記録等が存在する筈だが、一切公表されていない。私的個人が撮影した映像だけが状況を示している。
非常に不思議なことがある。この暴動をあおり、破壊活動をしたのはトランプ・サポーターではない。Antifa(極左)や他の極左、またNeo-Nazi Ukrainians 達であった。ワシントン・タイムズ社は二人のAntifaを詳しく写真認証により情報を提供した。一人はスターリン主義者を称するための入れ墨をしている。多数の暴力行使者が先頭にたって破壊活動を行ったが、彼らは誰も死ななかったようだ。亡くなったのは、善良なトランプ・サポーターである。暴力の扇動していた人たちは、何処が危険であり、事態がどのように進展するかを知っていたのではないだろうか。警察の動きを前もって知らされていた。だから彼らは危険な場所から早めに逃げ去っていたのだ。何も知らないトランプ・サポーター達が犠牲者となった。
中国共産党の政治手法を「バイデン民主党政権」が相続している?
一月六日の事件はトランプ勢力を貶めるために仕掛けられた罠の可能性が高い。事の成り行きが、中国共産党が「香港の民主化運動」を「国家安全保障法」の成立へと誘導して、徹底弾圧により閉じ込めてしまった過程とよく似ている。中国共産党政権は民主化運動のデモ隊の中に、共産党員を忍び込ませ、彼らにより破壊活動を計画的に実行させた。そして民主化運動のデモ隊が、激しい暴力活動へと暴走をしたかのような嘘の事実を作り上げた。中国共産党は、最終的に「国家安全保障法」を根拠にして、民主化運動を破壊した。米国の政府機関の中に、中国のスパイと化した職員や民主党政治リーダーが多くいるといわれている。
一月六日の事件はすべてが秘密にされている。背後でアメリカ人に対する多くの人権侵害が行われていると考えるべきだ。アメリカ市民に対する「法による保護の平等」や「自由、生命、そして財産をしかるべき法のプロセスによらないで侵害することは許されない」という米国憲法の原則に照らして、近未来に厳しい追及がなされる時が来るだろう。
果たして、6か月以上も継続する530人以上に対する説明の無い拘束は、果たして法と憲法に基づく追求に耐えられるのだろうか?追求に耐えられないために、バイデン政権と当局は未だに公に法的理由説明をしようとしないのではないか?このまま長引けば深刻な人権問題にも発展する。曖昧にすれば46代大統領ジョー・バイデン民主党政権は中華人民共和国と同様な政権であると米国民が判定するだろう。被拘束者たちは解放されたのちに、政府に対し集団訴訟を起こすだろう。いずれにせよ、これは大きな政治問題を引き起こすことになるだろう。こんな恐ろしいことが起こっていながらもメディアにより事の深刻さが報道されていない。現在の米国の政治が深刻な段階に至っていることを示している。
しかし、連邦議会民主党やメディアはこの事件を「2001年9月11日事件(アメリカ同時多発テロ)以上の米国民主主義の危機」と称し、トランプ大統領の責任を追及し始めた。
「米国民主主義歴史上、最大の危機」という演出
民主党とメディアは、2021年1月6日の事件は、「アメリカ合衆国に歴史始まって以来の民主主義の危機」をもたらしたと宣伝した。“トランプ氏は「2020年大統領選挙の勝利は、選挙詐欺により民主党バイデン候補に盗まれた」と主張”してきたが、“その主張はトランプ氏による陰謀論にすぎない。”と声をそろえた。1月6日の暴動は「トランプ陰謀論の目的地」であるとして、今度は、ドナルド・トランプ氏の政治家としての生命を完全に奪うことに焦点を当て始めた。
1月20日の46代大統領就任式は極めて危険な状況になると断定し、2万5,000人以上の州兵が動員され、狭いワシントンDCの連邦議会議事堂を中心とする各所に配置された。イラン駐留の米軍が2,500名(2021年4月)であり、駐韓米軍が28,500人(2010年)であるから不必要で、且つ大袈裟な数であることは明白である。ホワイトハウスや議事堂は有刺鉄線で取り囲まれた。米国史上始まって以来の、物々しい、国民には理解しがたい新大統領就任式となった。州兵による警備は、後に規模が縮小されたが、そのまま4月までも継続された。25,000名の州兵を狭い首都に配置して米国民主主義の最大の危機を演出した。そして、トランプ前大統領が危険な政治家であることを国民に印象付けた。トランプ氏の支持者はテロリストであるとのメディアのニュースが全米を覆った。
「最大の敵を破壊」するための極左統一戦線
トランプ氏が、未だ現職大統領であった時に、ソーシャルメディアが大統領の言論の自由を侵害した。即ちすべてのアカウントが完全封鎖された。
極左に通ずるソーシャルメディアの支配者(Big Techs・GAFA)達は、「最大の敵は、ドナルド・トランプ45代大統領である」として戦略目標を定め、破壊しようとする攻撃を始めた。
同時に、トランプ大統領を支える信奉者たちの口を封ずることも開始した
まず、1月13日に、トランプ大統領が使い続けてきたTwitterのアカウントを一方的に永久停止した。更にFacebookやインスタグラム(Instagram)のアカウントも停止された。トランプ大統領は少しの間Parlerを活用したが、ParlerがGoogle Play Storeから除去され、更にAmazon Web ServicesがParlerのホスティングサービスを停止した。この攻撃は全米規模のトランプ・サポーターに拡大され、更に世界にまで拡大された。日本迄、トランプ氏のサポーターたちのソーシャルメディアの使用が排除された。ソーシャルメディアを持つBigTechsはトランプ攻撃の統一戦線の中核として、既に2020年大統領選挙以前から結束していた。
彼らは自分たちが作り上げた主流メディアも含めた広い反トランプ統一戦線が成功したと思い込んだであろう。
しかし、国民は彼らが考えるほど馬鹿ではない。アメリカの国民は、情報を扱う理性集団や巨大な情報量を支配する勢力にも勝る、知恵を持つ「良心」の主人であった。多くの国民はソーシャルメディアや主流メディアの態度の本質にある傲慢と嘘で作り上げた醜い心を感じ、その本質を見抜いていた。国民はメディアの主張の反対方向を選ぶことが正しいと悟り始めた。その方向を見るとトランプが存在し、誠実に真実を報道しようとする地方の小さなメディアや、政治的利害を超えて国民のために貢献しようと不動の信念で戦う政治リーダーたちが彼を取り囲んでいた。アメリカ国民は、やがて腐敗した知的エリートの文化を突き破り、建国の父達が残した素晴らしい文化を再現するだろう。
最近の信頼できる世論調査の結果を紹介したい。ここ2回の米国大統領選挙とその他の世論調査で最も正確であったのが「ラスムセンRASMUSSEN」による調査結果であると私は確信している。
2021年7月9日のラスムセン・レポートに面白い結果が記されている。
“ 米国の選挙の投票者は58%が「メディアは人民の真の敵である」に同意する。全体の20%弱は「非常に強くその考えに同意する」と答えた。
反対に、36%が「その考えに同意しない」としており、全体の「8.3%がそれに強く反対する」となっている。”
米国で実際の投票活動を実行すると思われる人たちは、圧倒的に「フエイクニュースは問題である」と考えており、そして過半数はトランプ大統領の主張「メディアは人民の敵になっている」に同意している。アメリカ国民の底流は、エリートメディアやソーシャルメディア支配者たちの認識とは大きく異なる方向へ流れ始まった。そして、その規模が急速に大きくなりつつある。
「2度目のトランプ大統領弾劾裁判」
この裁判の目的は45代大統領ドナルド・トランプ氏の政治生命を完全に絶つことだった。
連邦議会両院民主党は、45代大統領を三度に渡り弾劾訴追を成功させて、大統領の座から追放しようと試みてきた。連邦民主党両院議員、法務省・FBIと他の隠れた勢力による法的謀略による攻撃は、彼の大統領就任直後から始まり、2年半も続いた。「ロシアとの共同謀議により大統領選挙に当選した」という疑いをかけ、大統領をホワイトハウスから追放しようとした。エリートメディアはその意図に100%と言えるほど同調した。しかし、これらのすべては失敗した。告発ばかりが先立ち、正確な根拠と証拠に欠けていた為、結果的には惨めなもので終わった。「明日にも大統領が弾劾に追い詰められる」というニュースがマスメディアで幾度となく踊った。しかし、その結果として、いつも彼らが期待する強力な証拠が何も出てこなかった。最終的には「無罪」となった。そして下院による「弾劾裁判発議」の議決には到達できずに終わった。
「反・“法の支配”党」は「神と人間の良心」を否定する。その為に、倫理や道徳そして法を尊重する精神が不足する。当然、政治的立場や権力を利用して多くの犯罪行為を犯す。今や、彼らが勢力を拡大してアメリカ社会の表面に現れてきた。彼らは、今や「ディープステイト(Deep State)」の名で有名である。彼らは自分の犯した悪行を隠すことが政治活動の最重要課題としている。
その典型的な行動がトランプ大統領に対する二度目の弾劾訴追の試みとなって現れた。2021年1月14日、アメリカ連邦議会下院は、多数党の民主党が主導して「トランプ大統領弾劾決議案」を可決した。告発内容は「1月6日、議事堂襲撃事件の反乱を扇動した」というものであった。上院での弾劾裁判の判決は2月13日に「無罪判決」が出された。57人(民主党50人、共和党7人)が有罪を支持したが、成立するためには3分の2(67人)が必要で、遠く及ばず結果として無罪となった。そもそも、大統領の弾劾裁判は、連邦議会上院で行われるが最高裁長官(John Roberts)が裁判長であるべきだが、本人がそれを受けなかった。なぜなら既に大統領ではない国民の一人に対しての弾劾裁判は憲法上あり得ないからだ。裁判長は上院議長代行議員(民主党)が担当した。
ハーバード・ロースクール名誉教授アラン・ダーショウィッツ(Alan Dershowitz)氏は最も本質的問題を指摘した。
「この裁判は合衆国憲法に違反している。前大統領に対して上院は裁判を行う司法権を
持たない。告発ばかりがなされ、証拠の提示が行われていない。
結果としてこの弾劾裁判は単なる“Show Trial(見世物裁判)”となった。
連邦両院議会はトランプの弾劾裁判において自分を“法の上”に立てた。」
何故民主党はこのような弾劾裁判に固執したのだろうか?国民の「良心」が憲法を無視して行われた裁判を見つめており、次の中間選挙では必ず審判を受ける。マスメディアに対する国民の意識調査について、前に取り上げたが、Rasmussen Reportは「エリートマスメディアの認識は一般国民と大きな乖離があり。58%の国民が彼らを人民の敵としてみている」ことを示している。2022年の中間選挙は民主党とメディアにとり手厳しい結果となることを予測できる。
しかし、第46代ジョー・バイデン大統領と上下両院過半数を制した民主党には、2022年11月の中間選挙を勝つために、手段を択ばずに達成せねばならぬ政治的課題があった。それは「前大統領トランプ氏が公職に帰る道を完全に閉ざす」ことであり、「民主党政権が、トランプ氏の政治活動に対して司法省・FBI等による強権行使の法的根拠を造る」ことであった。弾劾裁判の勝利によりそれを達成できると考えたと思われる。
彼らは2020年大統領選挙で行われた巨大な選挙詐欺の事実を隠さねばならない事情を抱えている。この犯罪が明らかになれば現在の民主党は崩壊する。なぜなら、あまりにも大規模で、そして醜いあからさまな選挙詐欺が行われたことと、背後に中国共産党が深く関わっており、国家反逆罪に問われるであろうからだ。少なくとも“反・法の支配思想”に基づくディープステイトは一掃されるだろう。
歴史上最大の選挙詐欺を明らかにして、合衆国憲法に基づく選挙の尊厳性を回復する国民運動を成功させ得る人物は、前トランプ大統領以外に存在しないことを彼らは知っている。彼を“恐ろしいリーダー”として認識している。それ故、合衆国憲法に違反しても弾劾裁判に突進したのだ。
しかし、今や隠されていたことが現れてきつつある。2020年大統領選挙で問題が噴出したが、隠され無視されてしまった。しかし、今や事実が明らかになりつつある。アリゾナ州では州議会が選挙の厳格な監査を実行し7月中に完了した。バイデン氏勝利の嘘が暴露され、トランプ氏勝利へと翻されようとしている。8月には公に発表され、全米がショックを受けるだろう。ジョージア州、ペンシルヴァニア州そしてミシガン州でも同様の動きが始まっている。バイデン大統領や司法長官が政治的圧力を掛けても止められない状況になりつつある。全米50州に「2020大統領選挙の監査実行」による「選挙の尊厳性回復運動」が拡大されてゆく動きが始まった。
失われるのか? 米国「司法権」の尊厳性
2020年大統領選挙では、特にスイングステイトと言われる激戦区で発生した選挙詐欺や違法選挙問題に対して数十の法的訴えがなされた。合衆国最高裁はそれらのすべてを棄却して、政治問題に極力拘わらないかのような態度をとった。しかし、実際にはその選択は最も政治的に一方に偏する立場に、自らを立たせてしまった。また、米国独立宣言以来(1776年)、三権(司法権・立法権・行政権)の土台としてきた政治哲学「法の支配」を、こともあろうに米国最高裁が率先して軽んじた。
少なくとも米国有権者の半分は大きなショックを受けただろう。やがて、時間の経過とともに隠された事実が明らかにされると同時に、最高裁判事たちの無責任な態度は明らかにされ、国民に告発され、その権威が揺らぎ始める時が以外に早く来るのではないか。
それにより、米国は「法の支配が失われた混沌時代」を迎えるのか、それとも逆に、危機感の中で行政権と立法権において「法の支配」が蘇り、南北戦争の終結後の米国のような新しい時代を迎えるのだろうか?その運命は米国民の選択のみにより決定される。
“ 覆われているもので現れないものはなく、隠されているもので知られないものは無い。”
テキサス州が声を上げた
2020年12月8日、テキサス州ケン・パクストン司法長官(共和党)が4州(ジョージア、ミシガン、ペンシルヴァニア、ウイスコンシン)を最高裁に提訴した。
提訴の内容の概略は、以下のものである。
“この4州は武漢ウイルスの世界的流行に乗じて大統領選挙手続きを不当に変更し、
選挙結果をゆがめた。それは州法と連邦法に違反し、州憲法と連邦憲法にも違反してい
る。テキサスとあらゆる州の投票の公正を汚した。4州の大統領選挙人62名を除外す
ることを要求する“
テキサスの提訴に賛同して17州と更に連邦下院議員(共和党)の106人(約2分の1)がそれに加わった。
しかし、同年12月11日、連邦最高裁はその審理を簡単に却下した。事実、提訴の根拠である証拠を示す書類を吟味して検討することもなく、却下した。
審理の却下理由は簡単な表現のみだった。
“テキサスの提訴は合衆国憲法第3条に対応されてない為に棄却される。他の州で行わ
れる選挙の方法が裁判にふさわしくテキサス州との利害関係を持っていることを説明
していない”(翻訳責任:著者)
“異議ありの論文”を三人の連邦最高裁判事が異例の発表
2021年2月22日、合衆国最高裁が、2020年11月大統領選挙で発生している選挙詐欺と違法選挙等の提訴を何も吟味せずに全て棄却した。最高裁が下し続けてきた決定に対して、最高裁Clarence Thomas判事は、「我々の仲間である国民は、よりよく、またもっと期待を持てるように取り扱われてしかるべきだ。」と異議を唱えた。下級裁判所の下した決定を最高裁で見直すことをリベラルな判事たちが反対した。しかし、驚いたことにトランプ大統領にえらばれたブレット・カバノー判事とコーニー・バレット判事がリベラルな判事の決定に同意して、下級裁判所の判決見直しを否決してきた。最高裁での審議がなされるためには4人以上が賛成票を投じなければならないが、三人の賛成が最大限であり、全ての提訴が棄却された。
大統領選挙(2020,11,03)前後に発生した下級裁判所の判決の中で特に重要なものが4つあり、中でも2つは特に取り上げて審議せねばならないものであった。三人の異論を持つ判事たちが、稀にしかない方法を選択して、「最小限でも、二つの判決ケースは最高裁が審議するべきである」と意見書でその主張を宣言した。三人はクラレンス・トーマス(Clarence Thomas)判事、サミュエル・アリート(Samuel Alito)判事、ネイル・ゴーサッチ(Neil Gorsuch)である。(Joel. B. Pollak、 Breitbart 22 Feb 2021)
トーマス判事の「意見書の概略」を示したい。
“ 合衆国憲法は、連邦の選挙の在り方を決定する権限をそれぞれの州議会に与えてい
る。しかし、2020年大統領選挙の前後にはいくつもの州で、行政高官や官僚が選挙の
ルールを決定する権威を州議会の代わりに自分の上に置いた。その結果、通常にあり得な
い多数の反対請願とこれらの変化に反論するための緊急申請を受け取った。
ペンシルヴァニアの州議会は郵便投票を受け付けるための最終時間を投票日の夜8時と
明確に設定していた。ところが、それに不満なペンシルヴァニア最高裁が、郵便投票受付の最終時間を3日間延長させた。これに対する提訴を審議することを連邦最高裁が棄却した。この審議拒否は不可解である。 、、、
郵便投票は伝統的に不在になる理由をしっかり書いた投票者に限定されている。直近の選挙ではペンシルヴァニア州での郵便投票の比率は4%だけであった。しかし、2020年には急上昇して38%まで急上昇した。
問題なのは選挙の管理者達が長い間同意してきたことがある。それは、郵便投票はリスクが大きく、選挙詐欺が圧倒的に多く認められている。郵便投票の増加と共に選挙詐欺が広い地域で数多く発生する。その中で裁判所は、「選挙の信頼性の生死に迫る疑問」に決着をつけることが要請される。
しかし、合衆国最高裁判所はこれらの提訴に係る審議を全て棄却してしまった。“
(翻訳責任は著者)
アリート最高裁判事とゴーサッチ判事はトーマス判事の意見書に同意を示して、自分たちの見解も加えた。「この法的審議を再調査するべきである。これらに対する最高裁判決は重要で、何度でも繰り返される憲法上の疑問を示した。それは下級裁判所を二つに引き裂いた。、、、」(Joel. B. Pollak、 Breitbart 22 Feb 2021)
重大な問題が発生した。最高裁の中に、「法の支配」と憲法を保護しようとする保守派と、マスメディアや世論の動きで判決を下す極左的判事たちの対決が表面化したことである。隠されていたものが、より顕在化したと思われる。連邦最高裁に反“法の支配”党の判事たち(最高裁長官ジョン・ロバーツJohn Roberts と5人の判事)が、突如正体を現した。そして連邦最高裁は憲法を無視する判決をあからさまに実行したのである。
今回の一連の最高裁の判決は、下級裁を真っ二つに分裂させた。今後、全州の裁判所で同様の事態が繰り返されることとなる。特に、行政権に係る重要判決で、米国に極左政権が生まれるのに都合の良い決定が繰り返されるだろう。全米各州で権力の乱用が行われても、裁判所は提訴の棄却を繰り返して、政治的・法的な混沌のみが継続することになるだろう。
それは解決しようのない米国の分裂をもたらす、と同時に、時間の経過とともに米国民の連邦最高裁への信頼が、やがて怒りや敵意へと変わって行くことになるだろう。
テキサス州の声
(by Anthony Leonaldi Washington Examiner 2020年12月11日)
2021年12月11日、テキサス州が挑戦した提訴を連邦最高裁が棄却した。それに対しテキサス州共和党委員長が声明書を発表した。
その内容は、今回の最高裁決定がもたらす米国の未来を予言するかのようなものだった。
アメリカ合衆国が二つの連合体に分裂する。一つは「法の支配と憲法」の堅持を重大視する連合州、と他方は、それを軽んじまたは無視する州連合のようなものであるという。
“ 連邦最高裁は17の州と106人の国会議員がともに参加するテキサスの訴訟提訴を部
造作に放り投げて、判決を下した。下された判決の意味は「一つの州が憲法に反する行
動ができる。そして自分の州議会が定めた選挙法をも違反できる。」ということである
法の下にとどまる他の州にダメージを与えながら、罪深い州がなんの処罰も災いもな
くともよいとする。この判決は「州は合衆国憲法に違反することができる。その責
任は負う必要はない」と言う前例を打ち立てることになる。、、、
この決定は我々の立憲共和国の未来に、願うこととは程遠い結果をもたらすだろ
う。多分、法の下にとどまろうとする州はともに団結し、憲法のもとの州連合をかたちづくるべきだ。 、、、
テキサス州のGOP(共和党Grand Old Party)はいつでも「憲法と法の支配」のために立ち上がる。例え他のすべてがそうしないとしても!“
2020年12月11日 テキサス州共和党委員長 Allen West
連邦最高裁内からの告発
テキサス州の州議会議員マット・パトリック氏は、大統領選挙人の議会会議で、ある最高裁判事のスタッフ(匿名)が提供した情報を伝えた。(The Epoch Times 12月20日)
その情報は、
“ 電話会議は安全でないので、判事たちはいつものように密閉された部屋で会った。
テキサス州の訴訟を受理するかどうかを審議するために、判事たちは閉ざされた部屋に入
った。
通常はたいへん静かに会議は行われる。この時は廊下の奥まで怒鳴り声が聞こえてきた。
テキサス州の訴訟を議論し始めた時には、壁越しにも怒鳴り声が聴こえた。
トーマス判事とアリート判事が2000年大統領選挙の『ブッシュ対ゴア』の訴訟を引用す
ると、ロバーツ長官は『その訴訟はどうでもいい。その時には暴動は無かった』と話し
た。長官と他のリベラルな判事らは、正しい判断を下せば何が起こるかを恐れていた。 ロバーツ最高裁長官は、『この訴訟を受理したら、お前が暴動の責任を負うのか?』と怒鳴っていた。“ と言うものであった。
マット・パトリック氏はこの時の大統領選挙人の議会会議で「残念ながら、これは道徳的臆病だ。連邦最高裁は【何が正しいか、何が間違っているか】を決める最後の砦を担う責任がある。彼らはその責任を果たさなかった。」と指摘した。
最高裁の判事たちの過半数は自らの責任を放棄していた。暴動に対して過剰に恐れているかのように発言しているが、明らかに真意は自分の政治的意図を実現しようとしていた。
『この訴訟を受理したら、お前が暴動の責任を負うのか?』と言う言葉に全てが現れている。最高裁長官や判事の言葉としては、あまりにも惨めで恥ずかしい発言である。
合衆国憲法によれば、最高裁には治安の維持に対する責任や権限は全くない。治安維持の責任と権限は、合衆国大統領の行政権及び50州知事の行政権に属する。最高裁長官が感情的に判事たちを服従させようとして脅迫したものであり、政治的にも極めて偏向した言葉を発したといえる。
その意味は「2020年に全米で起こった暴動(アンティファやBLM運動による)はトランプ大統領の行政が原因で広がったものであり、彼の選挙を有利に導くであろうTexas州と17州および106人の連邦議員による提訴は絶対に拒否せねばならない。暴動の脅威に対してあなた方は服従せよ」と言うものであり、保守派判事たちを脅迫したつもりなのだろう。
アメリカ合衆国最高裁が教えてくれたこと
2020年大統領選挙の大規模詐欺疑惑とそれに対する裁判闘争が、テキサス州と17州および106人の連邦議員による最高裁への提訴となった。提訴は軽んじられたかのように棄却された。しかし、これを契機に最高裁内部からの告発で明白になった重大なことが一つ明白になった。
「最高裁は、判事9人中に保守派判事が6人を占める。『最高裁判決は保守派に有利になされるだろう』と言われていたが、それは大きな誤りである。『米国独立宣言に基づいて“法の支配”と“合衆国憲法”を解釈し、憲法を運用する最高裁判事』は多く見ても3人のみである。」という事実が明らかになった。連邦最高裁判事たちは反“法の支配”党に握られている。最高裁判決は米国の建国の父たちの価値観を否定する立場から多くの判決がなされるだろう。共和党保守政権が生まれないように、民主党極左に有利な、極めて政治的に偏向した最高裁判決が連続するだろう。
アメリカ合衆国は「法の支配」を捨てた僭主性国家に移行するかもしれない重大な転換期にある。末期の民主主義社会では「法の支配を捨て、自由を放縦と取り換え、価値観を全く相対化してニヒリズムに陥った国民が、嘘と幻想的魅惑にだまされ、僭主支配の未来を選択する」可能性が高い。アメリカのカリフォルニア州やニューヨーク州等では、既に大都市部にそれに近い現象が起きているといえる。僭主は「ひとたび支配権を確立すれば、自由を抑圧し、自分のための専制支配を確立してゆく」のである。
2021年9月25日
共創日本ビジネスフォーラム研究所
【コスミック・アイ 第15回】
アメリカ合衆国はどこへ行くのか ― その2
米国の司法権によるクーデター? それとも責任を放棄したのか?
「法の支配」はアメリカ合衆国では特に重要な価値観である。「法」の意味には二つの領域が含まれている。一つは「自然法」であり、「神の意思」のことであり、独立宣言にその核心部分が述べられている。二つ目は、前者に基づき造られたアメリカ合衆国憲法(1787年)とそれに基づく諸法律である。「法の支配」はこの二つの領域を中心に国家、社会、家庭、個人が存在しようすることを意味する。米国は、英国との独立戦争の只中に「独立宣言」(1776年)をおこなった。独立宣言の中心的価値観のなかの一つである。それは17世紀英国の政治哲学者「ジョン・ロック」の思想を受け継いだものであり、当時の「建国の父たち」と合衆国を構成した13州のリーダーたちに共通の思想でもあった。重要な部分を引用したい。
「われわれは、以下の事実を⾃明のことと信じる。“すべての⼈間は⽣まれながらにして平等であり、
その創造主によって、⽣命、⾃由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられている”。
こうした“権利を確保するため⼈々の間に政府が樹⽴され、政府は統治される者の合意に基づいて正
当な権⼒を得る”。 、、、」
独立宣言が提示する価値観は普遍的真理であり「自然法であり、神の意思である」とする。
米国の建国以来の国是は「法(自然法、神の意思)の支配」の保持である。その目的は「国民の権利保護と発展」にある。アメリカ合衆国連邦政府は「司法権、立法権、行政権」を代表する連邦裁判所、連邦議会そして大統領により構成される。連邦裁判所は勿論、連邦上下両院議会と大統領には、それぞれに「法の支配」を保護する責任と権限が憲法により与えられている。
FBIは「法の支配を守る責任」を負う
2020年11月9日、ウイリアム・バー(William Bar)司法長官によるメモが司法省全部門に通達された。「2020年大統領選挙で違法な選挙行為が行われた疑いのある状況に対しては、司法省の権限で調査する」ようにする為、50州の連邦検察官たち、司法省副司法長官たちの下にある刑事局、人権局、そして国家安全局、更にFBI長官に正式に行われた指示である。
合衆国憲法では「行政権は大統領に任され」ている。大統領は「法の支配」を守るべく、選挙を合法的に実行し、その尊厳性を守る重大な責務を持つ。それは、自ら立候補する大統領選挙期間中も遂行するべき重要な責任である。大統領の行政権限を、代理して権限責任を実行するのが司法長官とその下の膨大な数の司法省検察官たち及び職員たちである。
FBIによる「新型のクーデター」だったのか?
待ち構えていた“反「法の支配」党”
2017年1月20日、ドナルド・トランプ氏が新大統領に就任してホワイトハウスの主人になった時には、ワシントンの政治エリート集団が、手ぐすねを引いて待ち構えていた。彼らのほとんどは民主党員だが、一部には共和党実力者たちも含まれていた。トランプ大統領は政治家としての経験が無く、ワシントンの民主・共和両党エリート集団には人脈が限られていた。政治エリート集団が、彼の大統領就任以前から「国民が行政権を託した新大統領を追放する」ために、準備をして待ち構えていた。そのための先頭に立ったのが司法省であった。司法省には前大統領バラク・フセイン・オバマ(Barack Hussein Obama II)氏の影響が色濃く残っていた。特にFBIはその前衛にあった。活用した武器が「ロシア疑惑問題」であった。
「ロシア疑惑問題」の背景と事実は、連邦議会上院の司法委員会が2020年3月~10月に8か月間かけて行った調査報告書が、司法委員長リンゼイ・グラハム( Lindsey Graham)氏により報告されている。
“2016年大統領選挙に係るトランプ陣営のリーダー達が、選挙に影響を与えるための「ロシアとの共
同謀議」をしたのかどうかを調べる最初の調査名は「Crossfire Hurricane 」と呼ばれていた。
FBIのジェイムス・コミー長官と副長官アンドリュウ・マッカベは、それを実行することがとんでも
ない悪事と知っていながら許した。トランプキャンペーン陣営のカーター・ペイジに対する外国情報
調査法の令状に司法長官サリー・イエイツ(Sally Yates)、FBIのジェイムス・コミー長官、とそして
副長官アンドリュウ・マッカベの三者がサインし、FISA裁判所をだましてトランプキャンペーン陣
営のカーター・ペイジに対する調査権を得た。こんな違法なことがアメリカ合衆国でおこった。二度
と繰り返してはならない“(概略)
「ロシア疑惑問題」はエリート左派官僚たちが作り上げた武器であり、その目的は政治的クーデターの達成であった。即ちホワイトハウスからドナルド・トランプ新大統領を追放することにあった。アメリカ社会に“反「法の支配」党”が出現していたのだ。FBIは死んで、“反「法の支配」党”として生まれ変わっていた。
FBIによる米国民に対するスパイ活動は基本的に違法である。それは特殊な場合に限られ、外国情報監視法(Foreign Intelligence Surveillance Act of 1978)に基づき、裁判所の許可を得ねばならない。
2016年、大統領選が本格化する中で民主党エリート官僚達と一部の共和党エリートが、ロシアのスパイが提供した“怪しい関係書類の情報”を「トランプのロシアとの共謀疑惑」の追求に活用し、大統領選挙でトランプ候補を敗北させようとした。当時、ヒラリー・クリントン大統領選挙事務所と民主党全国委員会が私企業「Fusion GPS」に資金を投入して情報を整理させた。FBIは、極端に党派的で不正確なこの書類を使いFISA管轄裁判所をだまして、トランプキャンペーン・アドヴァイザー「カーター・ペイジ Carter Page」の調査権限を得た。FBIが極めて党派的なスパイ活動を始めたのである(2016年)。やがてトランプ新大統領が就任して後、FBI長官ジェイムス・コミー(James Comey)は解任(2017年5月9日)された。あまりにもその指導が違法性と党派的偏向が強かったからである。明確な政治的意図によりFBIをコントロールしていた。2019年12月、前記の真相がFBI総括調査官により明らかにされた。その後、彼はFox Newsの取材で「自分が間違っていた」ことを表明した。
FBIが党派的に極めて偏向した情報でFISA裁判所をだまして調査許可を得て、スパイ活動をすることを黙認していたことの罪は大きい。大統領選の真っ只中に、民主党の意図を汲んだFBIが、共和党大統領候補者に打撃を与えるために行動をしていたのだ。
“反「法の支配」党”の司令部と前衛
このトランプ氏への攻撃は新大統領に就任(2017年1月20日)してから更に本格化した。その始まりはオバマ政権の最後の閣僚会議(バイデン現大統領も参加していた)が行われたときに、オバマ大統領がおこなった指令であった。“反「法の支配」党”の司令部とはオバマ大統領と閣僚たちであり、前衛はFBIであった。
2020年5月13日、Richard Grenell国家情報長官が連邦議会の要請に基づき機密情報を公開した。
“2017年1月5日、大統領執務室にオバマ大統領、ジョー・バイデン副大統領を始め閣僚たちが集まっ
た。大統領は司法長官サリー・イエイツ(Sally Yates)と閣僚たちに「次期トランプ政権安全保障顧問
マイケル・フリンとロシア大使キスリャクとの何回か行われた会談」についての情報を話した。さらに
FBI長官ジェームス・コミィーと次期トランプ大統領に対してどのようにロシアスパイの「ステイ―ル・ファイル情報」を伝えるかを討議した。1月12日に「マイケル・フリンとロシア大使キスリャクとの何回か行われた会談」を公表すると決定された。同日にその情報がワシントンポストに漏洩され記事となった。これは違法行為である” (概略)
明らかに「ロシア疑惑問題」の根にはオバマ大統領が深く関わっていた。次期大統領補佐官マイケル・フリンの電話は米国の情報機関に盗聴されており、オバマ大統領はその情報で司法省を指導してトランプ新政権に圧力をかけた。大統領がアメリカ国民の人権を侵害する違法行為を実行していた。“反「法の支配」党”の司令官だったのだ。またジョー・バイデン副大統領も共に違法行為を犯した。またオバマ氏はロシア疑惑追及の根拠として活用されたロシアスパイ情報(クリストフアー・ステイ―ルのファイル情報)をジェイムス・コミーFBI長官と活用するために閣僚会議で相談をしている。オバマ大統領はFBIを“反「法の支配」党”の前衛として育てていたのである。
ドナルド・トランプ氏が新大統領に就任するや否やFBIのSteel Dossier(ロシアスパイ・スティ―ルのフアイル)の情報がエリートメディアにながされた。「トランプ大統領は大統領選でロシアと共同謀議をした犯罪者である」というメディアの大規模な合唱連呼が始まった。
2017年5月9日、トランプ大統領はFBI長官ジェイムス・コミーを解任した。するとその直後にロッド・J・ローゼンスタイン副司法長官が、大統領の「司法妨害とロシア疑惑」を調査・追求をするべく、元FBI長官ロバートモーラー(Robert Mueller)をスペシャルカンセルに任命し、独立的調査を発動させた。
このスペシャルカンセルチームの大規模な調査は1年8か月間も継続し、大統領の行政を甚だしく妨害した。このチームは19人の実力ある検察官や弁護士たち(一人を除き、全て強い民主党支持者達)と40人の職員により構成されていた。この構成は民主党政治色があまりにも強いものだった。25億円以上の資金を使い、調査のために罰則付きの呼び出し状(Subpoena)を2,800も送り付け、500の捜査令状が使用された。また500回もの証言を得た。
1年10か月の後(2019年3月24日)スペシャルカンセルチームは調査の結論を出さねばならなくなった。司法長官ウイリアム・バー(William Barr)はスペシャルカンセルの調査結果を公表した。その結果は民主党とマスメディアを全く失望させるものだった。「ドナルド・トランプ氏と家族、および大統領選挙対策本部の幹部たちを含めて、自らの選挙を有利にするべくロシアと共謀した事実(証拠)はない。 、、、司法妨害の嫌疑に証拠はなく、司法妨害は無かった。」というものであり、告発することは拒否された。まさに「ロシア疑惑」騒動は「大山鳴動して鼠一匹」であった。
そこに至る過程で、FBI副長官マッケイブ(Andrew McCabe)は情報漏洩と嘘により解任された。驚いたことに副司法長官ローゼンスタインとFBI副長官マッケイブは、トランプ大統領を大統領職から追放するために修正憲法25条を適用しようとする謀略を企てていた。これはクーデターである。副司法長官ローゼンスタインは退任に追い込まれた。他にFBI検察官と調査官トップが解任された。他に何人も検察官たちの違法行為が強く疑われており調査が続いている。しかし、これらは退任や解任で済まされる犯罪だろうか?重大な犯罪行為として処罰されるべきである。しかし、明確な処罰は下されてない。犯罪に対する法的扱いがダブルスタンダードになっている。一般人が同様の行為をしたら何十年かの懲役刑になるかもしれない。憲法が保障する「法の下の平等」は何処へ消えてしまったのだろうか?
2020年12月2日、ウイリアム・バー司法長官により連邦検察官John Durham氏がスペシャルカンセルに任命された。「ロシア疑惑」騒動の源を逆の立場から明らかにするべく本格捜査が始まったといえる。しかし、2021年1月20日、ジョー・バイデン新大統領が就任し、行政府と立法府(連邦議会上下両院)が民主党支配下となった。司法省の良心に基づく捜査は政治的圧力により曖昧にされることが心配されている。
良心的な米国民が知らないうちに“反「法の支配」党”の「司令部」と「前衛」が生まれていたのである。これらの一連の事実は、大統領に対する政治的反発や言論による攻撃ではない。行政権を持つ大統領からその一端をゆだねられたエリート官僚が、行政権を乱用して違法行為により大統領を破壊しようとしたのである。“主権者である国民から選挙で選ばれた大統領”を、“選挙で選ばれてない、そして行政権の一端を大統領に代わって担当する官僚”が彼をホワイトハウスから追放しようとしたのである。アメリカ合衆国の憲法では立法権は連邦上下両院議員たちに委ねられ、司法権は連邦裁判判事たちと州裁判所判事たちに委ねられている。しかし行政権は大統領一人に委ねられている。この事件は米国史上、異常な事件である。
正体を現した“反「法の支配」党”
しかし、このままでは終わらなかった。民主党が多数派を占める連邦下院議会が「大統領の司法妨害とウクライナに対する大統領権力の乱用」を追求し、怪しい議会運営により大統領の弾劾裁判の執行を議決(2019年12月18日)した。米国民の約半分から支持をされ、また憲法で行政権のすべてをゆだねられている大統領の弾劾裁判を行うか否かを決定する重大な議決である筈だった。にも拘わらず民主党が推薦した議会証人たちの証言は「~と言ったそうだ」や「~と間接的に聞いた」というような証拠には程遠い、個人的感情や憎しみに基づく証言があまりにも多かった。その進行状況は中国や北朝鮮の人民裁判とよく似ていた。
もし上院も多数派が民主党であれば弾劾裁判が実行されて、その様は正に中共の人民裁判そのものとなったであろう。しかし、上院の多数派は共和党であり、上院のみが弾劾裁判を行う権限を持つ。さすがに上院は確たる証拠もなしに有罪判決をしなかった。幸いにして大統領の弾劾は否決されて無罪決着(2020年2月5日)をした。
皮肉なことに、その日に武漢ウイルス感染者第一号が現れた。連邦議会が無意味な弾劾裁判に振り回されていた最中に、強力な感染症が既に米国大都市部で感染爆発を起こしていたのだ。
こうして「民主党勢力の大部分と共和党の一部エリート」(“反「法の支配」党”)によるドナルド・トランプ攻撃は二度にわたって完全に失敗した。一方、トランプ政権は短期間の間に国民の支持を固めて政治基盤を安定させてしまった。新大統領として就任早々から外交・安全保障(親中路線の廃棄と対中敵対路線への転換、北朝鮮政策)、経済政策(規制の撤廃と大胆な減税実行)は目に見える巨大な結果をもたらし始めた。またトランプ大統領が共和党の連邦上下両院議員たちをまとめて結束させ始めた。トランプを嫌い、そして憎む一部の共和党エリート議員と党員は、それに脅威を感じた。民主党エリート集団、共和党エリートの一部、そしてエリートメディアの方向が一致して“反「法の支配」統一戦線”が造られた。反トランプ勢力の派手なトランプ攻撃に蛮勇を取り戻した勢力がいた。それは司法省下のFBIと諸部門に生き残っている膨大な数の左翼エリート官僚達である。司法省・FBIと諸部門のトップ官僚の中にも面従腹背の輩が多数いる。
彼らは三度目のクーデター・チャンスが巡って来るのを待っていた。しかし、2019年は、2020年大統領選挙に向けてトランプ大統領に圧倒的有利な政治状況が展開されていた。
ところが、2020年に入り、中国が彼らにそのチャンスを与えた。武漢ウイルスによる感染症が米国に入り猛威を振るい始めたのだ。2019年12月中旬には“中国武漢で感染症が深刻な状態になっている情報”を深刻に訴える一人の共和党下院議員がいたが、米国議会は無視した。彼らは意味も証拠もない弾劾裁判に集中して、国民の命を守ろうとしなかった。繰り返すが、弾劾裁判が終わった2月1日には、既に大都市圏で感染爆発が始まっていたのである。するとエリートメディア、民主党政治リーダーは必要以上にその脅威を主張し、国民に恐怖感をあおった。彼らは感染爆発の責任のすべてをトランプ大統領にかぶせた。自分たちの責任であることを隠した。「大統領が非科学的で感染症対策を誤ったために感染爆発が起こった」とエリートメディアのプロパガンダが攻撃をした。
武漢ウイルスの感染拡大は自由の国アメリカで最も大きな打撃を与えた。トランプ大統領が積み上げた外交・安全保障分野と、そして経済成長の実績がかき消されてしまった。アメリカ合衆国の行政トップとして追われる立場に立たされた。ジョー・バイデン大統領候補には最高のチャンスが巡ってきた。民主党全国委員会、各州選挙運動組織、そしてバイデン選挙陣営はメディアのプロパガンダを背景に動いた。武漢ウイルスの感染を口実にして、郵便投票の法的規制を緩め、2020年大統領選挙に対して、あらゆる違法行為が可能な状態を作り上げた。特にスイングステイトに膨大な資金を投入した。またインターネットに接続可能で外部から侵入できるDominion社の投票開票機を使うように陰に陽に政治指導をおこなった。また、激戦州の選挙管理職員は訓練された軍隊として動けるように人的配置を準備した。大掛かりな選挙詐欺のシステムが大規模に完成していた。
遂に成功した“反「法の支配」党”のクーデター
11月3日の大統領選挙投票日と開票過程では、当然、過去にはなかった大規模な選挙詐欺が行われた。
当然、司法長官と司法省全体が、激戦州(ペンシルバニア、ジョージア、ミシガン、ネバダ、アリゾナ、ウィスコンシン)を注目し関心を集中するのが当然であった。特に大統領選挙の勝敗を決する5つの激戦州では、競争が過熱するため違法行為が行われる可能性が高い。政党を超えて厳しくチェックし、悪質なケースについては詳細に調べて告発せねばならない。それは司法省の当然の義務である。
前述されたように、2020年大統領選挙の激戦州現場では露骨に多種の違法行為が行われた。多くの脅迫行為や紛争すらも起こっていた。「法の支配」を維持するべく、国内を対象とする情報活動を行うFBI(Christopher Wray長官)が、選挙現場の違法行為について、他のどんな機関やマスメディアよりも把握するのが当然であった。いや、そうでなければならなかった。
しかし、不思議なことに司法省を構成するFBIを始めとする各機関は全くと言ってよいほど動きがなかった。調査追求するべき問題が山のようにありながらも、それに触れようともしなかった。ドナルド・トランプ大統領はその事実を驚き、そして嘆いた。「現場で調査をしているという情報を全く聞かない」と指摘した。FBIは合衆国憲法と州憲法を犯してまでも、違法な選挙活動が行われていても黙り続けていた。
FBIが調査をしなかったのだ。触れようとしなかったのだ。驚いたことに、11月3日の投票が終了し、票の集計が終わった後でさえも、彼らは全く動かなかった。これは、意図的にサボタージュをしたといえる。ウイリアム・バー司法長官の公式指示がFBIにより無視された。支持が無視されても、それを放置したのはウイリアム・バー司法長官がFBIの態度を受け入れた証拠である。彼は言った「大統領選挙では広範囲に広がった違法行為は行われなかった」(AP通信社インタビュー 2020年12月2日)。全米のメディアのニュースは「今回の大統領選挙には選挙詐欺行為は全く行われなかった」を繰り返した。司法長官の発言はエリートメディアのプロパガンダを公認したのだ。
司法省全体が、「法の支配」を守るという行政府の重要責任を放棄するという事態に至った。そして、「司法省とFBIが何もしない」という行為を実行した。「何もしないで無視する」ことによりクーデターを実行した。2020年大統領選挙は発展途上国並みの選挙事情が展開されたまま放置されることになった。
その結果、 “反「法の支配」党”のクーデターが成功し、彼らがその正体を現した。その姿は中国共産党が作り上げた種々の機関や社会組織とよく似ている者に見える。人民解放軍は中国国民の軍ではなく、中国共産党の軍である。米国国民には想像もできないことと思うが、次に彼らが狙うのは「連邦軍を民主党の軍にする」ことであろう。その為の行動が始まっている。
民主党の上下両院議員の多くと、共和党一部議員も含めて、政治家たち、エリート・マスメディア、そしてビッグ・テック (Big Tech)が「アメリカ国民の為」ではなく、自分たちの「政治権力と利益拡大」をひたすら追求することに明け暮れている。彼らは中国共産党と似てきつつある。両者の目的は「力(power)と富の拡大」である。アメリカ合衆国の民主主義は根本的危機をかかえている。「アメリカの最大の敵」は「アメリカのうち」にある。彼はアメリカの未来を「独裁」もしくは「紛争とカオス(chaos)」に導くだろう。
アメリカの未来は、建国の父達が示した「建国の精神」に帰り、「神とアメリカ国民のために果敢に生きる」以外に、生き延びる道はない。
2021年7月20日
共創日本ビジネスフォーラム研究所
【コスミック・アイ 第14回】
世界の未来を決める「2020年、米国大統領選挙」
― アメリカ合衆国は生き残れるか? ―
アメリカ合衆国大統領選の行方
アメリカ合衆国の大統領選の行方は日本の明日に決定的影響をもたらす。
二期目のトランプ政権が登場すれば、今まで以上に対中政策は激しいものになる。香港への国家安全維持法適用と一国二制度の消滅により、GoogleやFacebookさえも中国内部・香港からの撤退を考え始めたようだ。米国はヒューストンの中国総領事館閉鎖を7月27日に強行した。「米国内で他国が主導する窃盗やスパイ活動は許さない」という意思を宣言したものだ。
テキサス州ヒューストン市は世界最大の医療技術開発機関等の集積地であり、中国スパイが総領事館を拠点に暗躍していた。コロナウイルスのワクチン開発技術を盗もうとしていた証拠を把握しての処置のようである。中国は単なる報復として成都の米国総領事館を閉鎖した。
米国では更にこのような処置を拡大する可能性も指摘している。これは米中両国が国交断絶寸前にある事を意味する。米国の対中国政策は今後更に厳しくなるだろう。
米国内の政治的動きや、法を適用させる変化を注意深く見つめなければならない。
トランプ政権は、2018年に「泥棒と付き合うものは、泥棒の仲間とみる」と対中政策を宣言している。ある日、いきなり日本企業が、米国金融機関との取引を一切停止されたり、また中国のスパイ活動を援助した罪で司法機関に逮捕告発されることも起こり得る。
一方、日本企業は、例えトヨタであってもこのまま中国で企業活動ができるだろうか?中国工場勤務の社員はもちろん、日本国内勤務の社員たちまでも「国家安全維持法」に基づいて違反すれば処罰されることになる。法的処罰の権限は中国側にあり、処罰の理由は説明されない。他の日本企業はどのように扱われるか推して知るべしである。
民主党大統領候補ジョー・バイデン氏が当選し大統領に就任した場合、米中関係が良くなることはないだろう。共和党はもちろん反トランプの民主党、更にリベラル・マスメディアさえも中国に対して非常に厳しい対応を求めている。バイデン氏は親中路線を選択したいであろうが、政権を支える周辺リーダーが激しく反対する。上下両院民主党リーダーたちはより激しく抵抗するだろう。なぜなら、バイデン氏は高齢で一期目就任時が78歳、二期目は82歳となるため、二期目は若いリーダーが民主党から選ばれるだろう。民主党はその選挙に勝たねばならないからだ。それゆえ対中政策はオバマ政権のように裏表のある非常に複雑な政策となる。
表は厳しい対中政策、そして裏は親中宥和政策を静かに進めることになろう。
対日政策はトランプ政権よりも厳しい政策となるだろう。日韓の関係を揺さぶる徴用工や慰安婦に対する賠償請求問題が、その舞台を中国にまで拡大する。この問題に関して、米国民主党政権は背後から中国を支持するだろう。日本の対中政策をめぐり、米国が反日的方向に走ることになる。
加えて、中国や韓国に進出した日本企業は、両国内において香港で施行された「国家安全維持法」による共産党政府からの政治的な強い干渉を受けることになる。韓国は中国との間で犯罪者引き渡し条約を結んでいるからである。
中国や韓国に進出した日本企業群は、極めて厳しい環境に直面することになる。
一 連続する大事件の勃発
2020年11月3日、米国の大統領選挙が行われる。ドナルド・トランプ大統領が二期目も共和党大統領として就任するか、それともジョー・バイデン民主党からの対立候補が新大統領になるかが決定される。しかし、2020年1月までは、民主党大統領が誕生する芽はほとんどなかった。
米国経済はトランプ政権下にあっては極めて高い成長率を維持し続けていた。トランプ政権の経済政策への評価が極めて高く、二期目の大統領再選は当然かのような雰囲気が充満していた。おまけに民主党大統領候補バイデン氏は政治リーダーとしては魅力に欠けていた。加えて高齢であり、当選しても就任するのが78歳、二期目は82歳就任という歴代最高齢になる。共和党トランプ大統領とは対等に戦えないだろうと予測されていた。
おまけに、副大統領候補の有力者たちは、左派色が強すぎるので、独立的中道派の支持を吸収するのが困難であり、大統領選の勝ち目はないとみられていた。民主党は過去三年間、上下両院で建設的政策提案ができずに、トランプ大統領に対する「ロシア疑惑」陰謀論の追求のみに終始してきた。加えて、リベラル・マスメディアは民主党左派と路線を一つにして、大袈裟な「ロシア疑惑」プロパガンダ報道に邁進してきた。
今にも、大統領が犯した国家反逆罪の証拠が露呈するかのような報道や議会証言が、3年以上の間も繰り返されてきた。しかし、告発する根拠たる証拠はなかった。国民はそのような空気に疲れ、嫌気が広がりつつあった。
トランプ大統領二期目の当選は楽勝であるかのように思えた。しかし、そのようなムードを一変させたのが、米国で爆発した武漢ウイルス・パンデミックだった。2020年の2月に入ると新型コロナウイルスのパンデミックが全米に拡大し始めた。それに続いて連続で大事件が起こった。それらすべてが現職大統領の責任を追及する政治的武器として使われ始めた。それにより「ドナルド・トランプ二期目大統領当選楽勝」のムードが短期間で雲散霧消した。誰も予期していなかったことが起こった。民主党大統領候補ジョー・バイデン氏が圧倒的有利な状況になったといわれる。
① 武漢ウイルス・パンデミック
「武漢ウイルスの世界パンデミックをもたらしたのは誰か?」
米国ではアメリカ合衆国下院議員ジム・バンクス氏(Jim Banks 下院軍事委員会・防衛機動部隊の未来共同委員長)は昨年12月の初めには、中国内部から発せられる脅威についての情報を継続的に追いかけていた。12月初めから1月初めにかけて、武漢市で正体不明の感染症の発生とその脅威を訴える何人もの医者とジャーナリストたちがいたが、彼らは投獄され、みな消えてしまった。台湾は昨年12月31日には既に、WHOへそれが恐るべき感染症であることを伝えていたが、WHOは無視した。中国共産党政府は情報提供をWHOに行わなかった。テドロス事務局長は調査団を送らなかったし、中国政府に情報提供の要求もしなかっつた。中国内部で感染爆発が起こっていた真っただ中で、中国は春節(1月24~30日)を迎えた。この前後に300万人以上の中国人ウイルスをもって世界に出て感染させることになった。「世界への感染拡大は意図的なものではない」と中国政府とテドロス事務局長が主張するにはあまりにも無理がある。新型コロナウイルスの世界的パンデミックを中国とWHOは完全黙認したのである。WHOのテドロス事務局長が「人から人への感染」を認めたのは、なんと1月20日だった。世界へのパンデミック宣言を出したのは3月11日である。それは中国の習近平主席が武漢でパンデミック終息を宣言した翌日だった。WHO事務局長と習近平主席が合意のもとに「武漢のパンデミック終息宣言」をしたかのようだ。国連機関WHOのテドロス事務局長と中国の習近平国家主席により、すべてが隠されていたのである。
米国や日本のプロパガンダ(リベラル)・メディアは「トランプ大統領の初期対応の誤りが米国のパンデミックの原因である」という報道を繰り返している。しかし、これは全くのフエイクニュースである。「中国の習近平とWHOのテドロス事務局長による感染症情報の隠蔽が、武漢ウイルスの世界的パンデミックをもたらした」のだ。
「米国の武漢ウイルス・パンデミックの犯人」は?
米国での武漢ウイルス・パンデミックをもたらした犯人は、米国上下両院の民主党議員達とリベラル・マスメディアである。中国でウイルス感染の大爆発が起こっていた2019年12月と1月の2か月間、米国ではトランプ大統領に対する「下院による弾劾決議」と、「上院による弾劾決議の否決」という、極めてヒステリックな大騒動に支配されていた。上下両院の民主党議員たちの党派的ヒステリック状態に陥りな米国議会が大混乱に襲われていた。
アメリカ合衆国下院議員ジム・バンクス氏(Jim Banks 下院軍事委員会・防衛機動部隊の未来共同委員長)は昨年12月の初めには、中国内部から発せられる感染症の脅威についての情報を継続的に追いかけていた。迅速な対応を要する重大問題として上下両院の議員たちに訴えたが、全く無視されてしまった。国民の命の危険を守ろうとする良心の声は、民主党両院議員たちが根拠や証拠もなく作り上げた集団的憎しみのヒステリーにかき消されてしまった。リベラル・マスメディアは敵意に燃える民主党の提供するプロパガンダ・ニュースを伝え続けた。
米上院は2月5日、トランプ大統領のウクライナ疑惑を巡る弾劾裁判で、「権力乱用」と「議会妨害」の二つの訴追条項について無罪評決を出した。同じ日に米国での新型コロナウイルスの患者第一号が発見された。既にこの時にはもはや感染が大きく広がっていた。
「トランプ大統領の初期対応の誤りが米国でのパンデミックの原因」ではない。それは政治的敵対者による意味のない政治的プロパガンダである。米国でのパンデミックの原因の根は「中国の習近平とWHOのテドロス事務局長の情報隠蔽」である。そして、米国の武漢ウイルス・パンデミックの原因の幹は、「米国議会両院の民主党議員達の憎しみと集団的ヒステリー」である。ウイルスの感染を防ぐ政治責任を果たす為に必要な時間は、すでに失なわれていた。無意味な弾劾裁判騒ぎの最中に感染はニューヨークと大都市を中心に既に拡大していたのだ。
誰も知らなかった新型コロナウイルスの恐ろしさ
新型コロナウイルスの感染力の強さと犠牲者の増加のスピードは、誰の予測をも超えていた。ニューヨーク州知事アンドゥリュウ・クオモ氏は、トランプ大統領の対パンデミック政策を全て否定してきた。しかし、彼と、彼の政策を同様に実行した民主党州知事たちは、州民の命の保護よりも民主党の政治的自己主張を優先した。それにより、彼らはコロナウイルスへの有効な対応の在り方が、何もわかっていないことが暴露された。
6月22日連邦保険局行政官がそれを明らかにした。「クオモ知事と民主党知事たちが医療養護施設についての独自の指針を作り上げ(3月13日)、自らの州で実行させた。それは連邦ガイダンスと全く矛盾したものであり不誠実なものだった。施設で新型コロナウイルスの感染者が出た場合、病院で治療して回復すれば、完全な陰性でなくても医療養護施設に返す。」というものだった。この指導のゆえにニューヨーク州では医療養護施設入所者の6%(6,000人以上)が死んだ。同じニューヨーク州でも、クオモ州知事の支持に従わないですんだ私立の医療養護施設や共和党議員施政化の医療養護施設の犠牲者は圧倒的に少なかった。他の民主党知事下の州も、犠牲者の数は同様に高いものだった。
政治化されて、民主党と共にトランプ攻撃にヒステリックなリベラル・マスメディアは、6000人以上もの死者を出した行政判断の過ちを問うこともなく、全く無視してしまった。意図的にそうしたのだ。
武漢ウイルスのパンデミックは短期間に米国と世界との交流を断ち切り、企業をはじめとする国民経済活動をほとんど停止させ、国民を家に押しとどめ、未来への生活見通しまでも奪った。突如、広大な米国を暗闇が覆ったのだ。感染者数411万人、死者14万5千500人に及んでいる(7月25日 ジョンズポプキンス大学)。
このような事態になると大統領や中央行政機関トップは責任を追及され、弱い立場に立つ。国民の不安は、不満を生み、米国行政トップに向う。リベラル・マスメディアはそれを政治的武器として利用し始めた。「ロシア疑惑問題」で根拠の脆弱な、証拠なき告発を成功させようとしてトランプ大統領を3年以上も追求してきた。今度は「コロナウィルス・パンデミックへの対応失敗の責任」という政治キャンペーン・ニュースでトランプ大統領を追求し始めた。
② “Black Lives Matter “ デモから暴動へ、更に米国の破壊へ
2020年5月25日、ミネソタ州ミネアポリス市でアフリカ系アメリア人ジョージ・フロイド氏が、警察官4人に路上の取り調べ中に、不当な扱いを受けて殺された。
既に、新型コロナ・パンデミックによる不安や不満を、怒りに換える要因がアメリカ社会に広く出来上がっていた。そんな時にこのような不当な事件が起こった。
武漢ウイルスによる死亡者はミネアポリス市ではアフリカ系アメリカ人が70%に及ぶといわれた。ニューヨーク市は死者の40%がそうであった。ミネソタ市で起きたフロイド氏殺害事件により、不安と不満は「怒り」となり、火炎となって全米デモとして広がった。“Black Lives Matter “(黒人の命は大切である)がデモのプロパガンダとなった。
大デモをAntifa(テロリスト)が破壊活動へ誘導、民主党員が政治指導をした
ジョージ・フロイド(George Floyd) 氏を警官が殺害したことで始まった抗議デモの目的と性質はすぐに大きく変わり始めた。最初は人権無視に対する抗議デモだった。やがて、どこからか沸いて現れてくるAntifa(反全体主義)と呼ばれる職業的なテロ組織がデモを先導し、暴力的デモへと変化させた。職業的テロ活動員は全米を行き来し、大衆デモを組織し先導した。彼らは活動的民主党員や支持者と連携し、米国社会にある深い矛盾(人種差別とその対立)を巧みな戦略で拡大させた。
「警察破壊運動」による「法と秩序の崩壊」へ
暴動と破壊活動を鎮圧するために警察が動員されると、デモはますます激しさを増した。アフリカ系アメリカ人の怒りは「反人種差別運動」にとどまらないで、「警察組織の撤廃運動」を加えるようになった。人権運動が極左政治運動に変化したんである。
このような政治的デモを指導したのは活動的民主党員や民主党支持者であり、それを保護したのが民主党政治家とリベラル・マスメディアであった。特に民主党州知事や民主党市長下の地域は、彼らが発する行政命令で警察が抑えられ、暴力的破壊者を拘束や逮捕もできずに、見守るしかない状況が現れた。今や破壊活動を好むテロリストや犯罪者が、自信をもって出現し、日中に悠々と犯罪を行うようになりつつある。
こうして、民主党主導の州や市は「法による秩序」が崩壊したところが多くなった。
民主党左派州知事と市長を首長とするシカゴ市(イリノイ州)では「米国の独立記念日」(2020年7月4日)の祝日であるにも関わらず市民の77人が銃で撃たれ、14人が殺された(7歳の女の子を含む)。凶悪犯罪が急増し、無法地帯が生まれつつあるのだ。 5月中旬から6週間の間に6市で600人が殺された。これらの犯罪が民主党員または民主党支持者により起こされたという。巨大な無法地帯、暴力、そして殺人が拡大状況にある。それでも民主党政治家たちやその支持者たちは「警察を解体せよ」と主張し、「少なくとも警察の予算を大幅にカットせよ」と言っている。
多くの民主党市長達が迎合し、否、むしろそのように危険な政治運動の主人となっている。ニューヨーク市長ビル・デブラシオ(Bill de Blasio)氏は「ニューヨーク市の警察予算を1000憶円以上カットする」と宣言をした。
ジョージ・フロイド氏が殺されたミネソタ州ミネアポリス市では、民主党市長と民主党市議会が警察予算を半分にすると決定した。ミネアポリス市の警察署長は黒人女性である。「彼女は警察が崩壊する」と頭を抱えている。米国の左派民主党員や支持者たちは、今や「警察の解体」をしようと試みている。これらの市長たちは「法と秩序」という米国を構成する土台を破壊しようとしている。
米国の伝統的価値観を汚し、消滅をさせようとしている。
大デモの参加者、Antifa(テロリスト)、そして民主党運動員たちは、米国政治の価値観の中心にある「米国建国の精神」をあからさまに破壊する運動を始めた。米国の政治や社会に、発展、調和と平和、そして希望をもたらすために不可欠な「建国の父たち」や英雄たちの思想や実績を汚し、辱めている。全米で、彼らの像を取り去ったり、破壊したり、又はひどい落書きで汚したりしている。共和党議員たちが民主党大統領候補ジョー・バイデン氏に「建国の父たちや、英雄たちの像の破壊に反対する署名」を依頼したが、彼は署名をしようとしなかった。民主党大統領候補、上下両院の民主党議員達、そしてリベラル(主流)メディアは米国から伝統的な「米国独立宣言に見られる人間観や政治哲学」(建国の理念)を追放しようとしていることがはっきりした。
そのような米国社会の激しい動きを恐れて、リベラルな知識人たちがそれに迎合し始めた。ニューヨークの歴史博物館に設置されていたテディ・ルーズベルトの像を、博物館側が取り去ってしまった。彼が馬に乗り、左右に黒人とアメリカ・インデアンが従う姿が人種差別的であると理由づけたと思われる。像を新しく造るというならば納得できるだろう。しかし、米国史上の大統領の中で最も尊敬される4人の大統領(他に、ジョージ・ワシントン、トマス・ジェファーソン、アブラハム・リンカーン)の一人を何故歴史博物館から取り去ってしまうのか説明がつかない。反アメリカ的行動である。現在の我々はテディ・ルーズベルトから学ぶべきものがたくさんある筈だ。他者に完全を要求し、満たされなければ憎んで破壊しようとする態度は、永遠の戦いと闘争をもたらす。このような態度は人間の本質にある傲慢そのものの現れである。典型的な共産主義運動家たちの態度と似ている。
また、プリンストン大学では理事会が決議して、「公共政策・国際関係論の研究機関・ウッドロー・ウイルソン・スクール」の名称を変えるという。ウッドロー・ウィルソン(元米国大統領・元同大学学長、国際連盟を提案)の名をつけていたが、それをやめて他の名称を付けることにした。
米国の名門大学がウッドロー・ウィルソンの名を追放してしまったのである。彼は米国史上価値がないと断定された。そのような価値評価を行ったプリンストン大学の傲慢な理事たちこそ、理事の座から追放されるべきではないだろうか。
米国の国民一般は、米国の歴史的英雄たちの像を取り去るべきとは考えていない。例えば、確かに初代大統領ジョージ・ワシントンや第三代大統領トマス・ジェファーソンは自分の奴隷を所有していた。しかし彼らの像を公の場から取り去るべきとは考えていない。
アメリカ人の多くは「英雄たちも間違った側面を持っている。しかし自分はもっと多くの過ちを持っている。米国の英雄たちから、自分たちが他から学べない貴重な真理の多くを学ぶことができる。」と考えている。全米世論調査機関Rasmssen Poll(2020,07,03発表)は「国民の75%がそのように考えている」と発表した。明らかに言えることは米国のエリート層(民主党大統領候補ジョー・バイデン氏を含む)がアメリカ国民と異なる考えを持ちながら、自分たちの見解が普遍的真理であると考えていることである。
現在、アメリカ社会の基本を揺さぶっている極左Antifaは勿論、民主・共和両党の左派政治的エリート達、リベラル・マスメディアのリーダー達が特殊なアメリカ人であり、大多数の一般アメリカ人は彼らと大きく異なる考え方をしているのだ。しかしエリート達は、あたかも自分たちこそが真のアメリカ人であるかのように思い込んでいる。
― 続 ―
2020年8月16日
共創日本ビジネスフォーラム研究所
【コスミック・アイ 第13回】
新型コロナ・ウィルス世界的パンデミック
その後、世界は何処へ行く?
一、恐ろしい感染症の教訓
(1)人の運ぶ感染症が国民国家を滅ぼす?
2019年12月以前に中華人民共和国の武漢市の一角から始まった新型コロナ・ウィルスによる感染拡大は、恐るべき力を発揮した。半年もかからずに世界の国々を鎖国と都市封鎖(Block Down)に追い込み、世界の経済活動を停止させ、諸国民を家に閉じ込めた。歴史上のどんな暴君も及びもつかない力で、今も人類を踏む付けている。
感染症は戦争よりも恐ろしいといえる。国家の崩壊や民族の絶滅に直接的に結びついてるからだ。それにもかかわらず、日本人の多くは戦争や核兵器が最も恐ろしいと思っている。「感染症」による犠牲者の数は「戦争」によるそれよりもはるかに多いのだ。
第一次世界大戦勃発の直前に感染爆発したスペイン風邪は、世界に約5億人の感染者と2,000~5,000万人(推定)の死者をもたらしたと言う。日本でも人口の半分(2,380万人)が感染し、388,000人が亡くなった。第一次大戦の死者は約1,000万人であることからも、スペイン風邪の猛威は恐るべきものだったことがわかる。
16世紀には強力な感染症ウイルス「天然痘」が、中南米の原住民を滅ぼすために生物兵器として意図的に活用されたようだ。天然痘が全く存在しなかった南米と中米に、スペイン人の天然痘患者によって持ち込まれた。さらに、それは彼らによりメキシコのアステカ帝国やペルーのインカ帝国を滅ぼすために利用された。スペインのフランシス・ピサロは、天然痘にかかったスペイン兵士が着用した外套をインカ帝国にプレゼントした。天然痘は猛烈な勢いで感染し、人口が1000万人以上から100万人前後まで激減したという。国家の機能は崩壊してしまった。そして、わずか170人弱のスペイン兵士達によってインカ帝国は滅ぼされた。メキシコのアステカ帝国はスペインのエルナン・コルテスとわずか400人の歩兵により滅ぼされたが、事実上は天然痘により滅ぼされたといえる。恐ろしい死神が海を越えて持ち込まれたのである。
感染症対策は国家の安全保障政策の大きな柱である
感染症問題は、元来、国の安全保障政策の重要な柱である。しかし、日本の新型コロナ・ウィルスに対する反応と対応は何故鈍かったのだろうか?深刻な感染症は首相と国家安全保障会議で扱うべきだった。日本国の政治組織と機能のすべてを発揮して対処せねばならなかった。それを厚生省が中心として処理をしようとした結果、様々な桎梏が生まれてしまった。また、日本の厚生省には、感染症が国民と国家の安全保障問題であるという認識が無いと聞いている。安全保障と感染症対応に対する認識の誤りがそうさせたようだ。感染症は単に被害の大小だけで扱うべきものではない。それによる、国民生活の破壊と、国家機能の崩壊を除けねばならないのだ。国民と国家の運命を左右するものである。
中国共産党政府は、新型コロナ・ウィルス感染拡大についての情報を意図的に隠し、それにより生まれる世界的パンデミックを政治戦略に活用しようとした恐れがある。中国政府は、12月初めにはすでに人から人へと新型コロナ・ウィルスが恐ろしいスピードで感染し、死者が激増していることを認識していた。しかし、春節(1月24~30日)を楽しもうとするすべての中国人達に海外への出国を1月末まで公然と認めていた。中国政府が団体旅行の出国を禁じたのは1月27日である。その時にはすでに266万人が世界を闊歩していた。日本にはそのうち92万人が旅行に来ていた。ヨーロッパ諸国とアメリカに大感染爆発が起こったのは当然である。日本で同様のパンデミックに至らなかったのが世界の不思議となっている。
歴史的に天然痘は、感染力と致死率の高さを非常に恐れられてきた。それは充分に細菌兵器になりうるものだ。1980年にWHOは天然痘の根絶宣言をした。同年、日本はワクチン接種を法的に廃止した。現在、天然痘のウイルスを保管する国は米国とロシアのみである。しかし、それを中国や北朝鮮等が所有していないとは言えない。米国は、生物兵器によるテロに対応するべく、米国CDC(疾病管理センター)に充分な量の天然痘ワクチンを保管させている。しかし、日本に保管ワクチンは存在しない。天然痘は感染率が非常に高く、更に致死率の平均が20%~50%というものだ。日本国民は、既に天然痘に対する免疫力をほとんど失っている。「感染症対処」は日本の安全保障政策の重要な柱であるべきだ。
(2)「難民と移民」に対する政策や考え方が新しくなる
安易な人道主義が、政治的混乱やテロリストを生み出した
人道主義が普遍化され、米国やEU諸国では難民や移民の受け入れが拡大されてきた。難民や移民を無造作に受け入れてきた結果、政治的混乱やテロリストが育つ土壌が造成された。
米国は伝統的に海外からの多数の移民を受け入れながら発展してきた。近年はヒスパニック(中南米系)が急激に増加している。2,002年には3,530万人(メキシコ系2,100万)であったが2010年には5,048万人(メキシコ系3000万以上)となりアフリカ系アメリカ人の人口を超えた。現在米国では不法移民が1,100万人以上存在するという。それに加えて、メキシコとの国境から不法移民が侵入し押し寄せる。2019年には100万人を超えると米国大統領は指摘した。アメリカ合衆国の不法移民政策が米国の政治的未来を左右するほどの重大な課題になりつつある。不法移民たちは法的立場が無いため、安い賃金で働かざるを得ない。米国には彼らの安い労働力に頼る企業や農場も多数ある。不法移民は厳しい社会経済的事情の下にあるため犯罪組織(麻薬密売)に係るものが多くなる傾向を持つ。麻薬密売のマフィア組織は全米に広がり、米国の青少年たちを淪落させ、深刻な治安問題を起こしている。
EUは人口5億300万人であり、EU域外の移民出身者は約2,040万人である。年間に120万人が流入し、60万人が流出している。不法移民は推定190万~380万人である。彼らは米国の不法移民同様に、社会経済的に厳しい状況にあり、テロ組織の温床でもある。
特に宗教と文化の違いから生まれる摩擦が大きな問題に成長しつつあり、EU諸国に排外主義的な民族主義的・保守政治運動が発展しつつある。
新型コロナ・ウィルスのパンデミックは、世界の難民や移民たちをめぐる状況を、わずか半年足らずで一変させてしまった。中南米からメキシコ国境を越えて米国を目指す不法移民たちや、EU諸国を目指すアフリカや中東からの難民が、その動きを停止せざるを得なくなった。恐ろしい感染症で多くの死者が増加している地域にあえて入国しようとしなくなった。また米国やEU諸国は、海外からの感染者の入国を止めるため、自ら鎖国状態にした。
やがて、米国やEU諸国のパンデミックは治まる。その後パンデミックがアフリカや中南米で本格化する恐れがある。それは米国とEU諸国の鎖国状態を継続することを意味する。こうして不法移民や難民問題は一時的に収まる。しかし、それは難民や不法移民問題を根本的に解決するには程遠い。
政治的・経済的政策だけでは永遠に解決しない
一体、移民や難民たちと、それを受け入れる国民が、どうしたら調和することができるのか? 政治的・経済的政策だけでは永遠に解決しない。豊かな米国、ドイツやフランスでも貧しい人たちは多数いる。彼らは生きるために一生懸命働いている。しかし、結果として海外からの侵入者たちとの「仕事の奪い合い、社会福祉の奪い合い」となる。当然、少数者が圧迫され、怒りと恨みを抱くようになる。そのような環境が、やがて、難民や移民たちを「保護をしてくれた国や国民」に対するテロリストに変身させることになる。難民や移民を受け入れる国が、単に経済発展のための労働力として彼らを利用したなら、彼らは心が傷つき、怒り、そして恨みを蓄積するだろう。また反対に、彼らが、その国の豊かさを自分の幸せのために利用しようとだけすれば、憎まれ、軽蔑され、そして片隅に追い詰められ、更に追放されるだろう。宗教や生活文化の違いが、心をさらに深く傷つけることになるであろう。そうしてテロリストや反政府運動、そして極端な排外主義運動が生まれ闘争が始まる。
「出身国以上に第二の母国を愛し、社会に貢献し、隣人を慈しむ」
お世話になる立場の「難民や移民」の精神的自覚と姿勢が非常に重要である。例えば、米国に来た移民や難民は、「米国人よりも米国を愛し、社会に貢献し、そして隣人を慈しむ」ことにより、偉大な未来への活路が彼らのために開かれるだろう。中南米やキューバから来た移民達のリーダーの中に、そのような人たちが比較的に多いようだ。そのようなビジョンや動機を難民や移民者に提供することは、移民を受け入れる国の重要な責任でもある。この原則を実践することは難しいが、彼らが真に受け入れられ、成功するためにはそれ以外に道はない。歴史初期でのイスラム教徒やキリスト教徒の社会的広がりは、「そのような原則を実践して、異国や異民族に喜んで受け入れられた」というものだったのではないだろうか。
南米での日本人移民たちはその原則を実践した。その結果、彼らはブラジルを始めとする南米諸国で絶大な信頼を得るようになった。また、米国に渡った日本人移民たちは、やがて第二次世界大戦に直面することになった。米国の敵国(日本)の出身者であるため、スパイ扱いさえも受けた。この時代のアメリカ合衆国では、未だ人種差別があからさまに行われている時代でもあった。多くの日系青年たちが、米国社会の信頼を勝ち取るために米国兵として出征することを志願した。最前線の最も危険な場所に送られ、多くの人が亡くなられた。そのようにしてでも「人種差別」と「敵国出身の米国人」という立場を克服しようとした。
難民や移民たちを受け入れた国はそのような実践を援助する為に、その国の「言葉」と「歴史」を学ぶ機会を提供するべきである。
デモクラシーの経験がない国々から欧米圏にやって来て、その国の国民と対等に国民主権の行使者となる道は険しい道となるだろう。「自由、民主主義、そして法の支配」は、国民の一人一人に対して首相や大統領であるかのように「国全体の責任を持つ」ことを要求する。国民がいきなりそれを要求されると耐えられない場合が多い。典型的な例は北アフリカや中東で起こった「アラブの春」運動(2010年12月~)である。
「アラブの春」は「アラブの冬」をもたらした
アラブ諸国には、王政の国と共和制(大統領や首相)の国があるが、そのどちらも独裁体制である。中東は「独裁制の最後の砦」といわれる。ところが、2010年終わりから2011年にかけて突如、チュニジアで民主化を求める大規模デモが起こった。独裁的大統領に抑圧されていた民衆の反政府的主張がSNSの活用により全国民に広がり、それが大規模デモとなったのだ。チュニジアの大統領は後退し、新政権がたてられた。民主化を求める大規模デモは、直ちにリビア、エジプトにも拡大した。リビアではカダフイ政権と反政府デモ勢力との武力衝突が起こった。国連と多国籍軍が介入して、カダフイは殺された。リビアには新政権が建てられた。エジプトでは30年も支配したムバラク大統領が追放されて、イスラムの軍事政権が生まれた。
しかし、これらの三国は民主化の夢を実現できなかった。民主化の夢と大規模デモはバーレーン、オマーン、クエート、ヨルダン、モロッコ、アルジェリア等に広がった。しかし結局、到着点は民主化の停滞し、独裁制の復活、内戦の勃発、それに加えイスラム国(IS)の出現であった。あまりにもアラブの春は短く、直ちに冬に逆戻りをした。民主主義の夢はもとめるだけでは実現しない。民主主義社会は、国民の努力による「民主主義の創造」により実現される。
アメリカ民主主義の基礎は、100年以上の期間をかけて「小さな規模から実践され、創り上げられた歴史的集積体」である。さらに英国との独立戦争(1775~1783)を経験したうえで連邦制度を設立した。無視できないことは、米国や英国の民主主義政治は、強固な共通の価値観の上に作られていることである。漠然とした民主化の夢により作られたものではない。彼らは長い年月をかけて、自分の身を削って民主主義を創造したのだ。そのうえ、250年以上の急進的民主主義政治の経験を持つアメリカ合衆国や、350年もの歴史を積み上げた英国でも、国民は、現在も健全な自由民主主義社会を作るために苦悶をしている。
移民たちの政治参加が許され、政治的自由と活動が保障されたときに、自分たちへの援助を過度に要求することに固執すれば、その国の圧倒的多数派からの反対を受けて孤立する。政治的理由で合法的に追放をされるかもしれない。特に移民者の数が増加して、社会的基盤ができるときに、逆に難しい問題が発生するだろう。その時には、政治的自己主張が強くなる傾向があるからだ。
解決の鍵は「出身国以上に第二の母国を愛し、社会に貢献し、隣人を慈しむ」という原則を着実に実行することである。そうすれば彼らはやがてその国と自由民主主義の主人達となるだろう。
(3)「国境」に対する政策や考え方が新しくなる
恐るべき感染症は海外から国境を越えて侵入してくる。それは国民生活のすべてを停止させ、経済活動が停止し、家族との突然の別れをもたらす。しかも死者の数もおびただしいものになる。感染力が極めて高く、致死率も高い感染症は100年に一度以上発症すると考えるべきだ。今後、兵器として作られた人工的ウイルスによる感染症が現れる可能性も高い。日本は中国・ロシア(細菌兵器所有?)、そして北朝鮮(細菌兵器を所有)に海で接する。
特に日本は厳しく対応し、また準備する必要がある。
早期の国境閉鎖が感染症パンデミックを防ぐ
国境を越える人を通して感染症は侵入し、感染爆発をおこす。「いかに迅速に国境閉鎖を実行するか」が運命を分ける。その為には「事実のままの情報」を可能な限り「早く」また「正確」に知らねばならない。感染症を発症した地域は透明性を保ち、極力早く、事実に基づく情報をWHOや世界に発信せねばならない。それは国際的義務である。しかし発生源を抱える習近平政権はその責任を果たすことを全く無視した。しかもWHOまで巻き込んだ。その為、世界の諸国は「国境閉鎖による、最も有効に感染症パンデミックを抑えるチャンス」を失ってしまった。これは歴史的な犯罪行為である。
中華人民共和国の政権中枢は、一部の行政リーダーが誤った対応をしたかのように装っている。しかし、2億台以上(2020年)の監視カメラによるデジタル情報システムと、膨大な数の公安警察(160万人)が全国民を徹底監視している国で、武漢のような大都市で起こった事件を中央政府が知らないはずがない。政治的意図があってむしろ感染症の世界的拡大を謀ったとしか思えないのだ。今後、これは歴史的問題に発展するだろう。
2019年12月初めには中国武漢では「人から人への感染爆発」がすでに始まっていた。武漢の李文亮医師は12月末にはその深刻な危険をSNSのスクリーンショットで訴えたが「デマを流布した」として8人が処罰された。彼は犯罪者として激しく監視された。李医師も新型コロナ・ウィルスに感染し、2月7日未明に亡くなった。この間、中国政府は「人から人への感染症」であることについて一切触れなかった。WHOもそれに迎合し「人から人への感染」の可能性を全く無視した。台湾は昨年12月31日にWHOに「武漢で原因不明の肺炎が拡大している。複数の患者が隔離治療されている。人から人に感染している可能性がある。」と伝えた。しかし、WHOはその情報まで完全に無視した。加えて中国政府は、春節(1月24~30日)で国民が旅行することを全く止めようともしなかった。既に“国内で感染爆発が起こっていたにもかかわらず”である。266万人が世界観光のため中国を後にした。日本に92万人、他の国(多くがヨーロッパと米国)へ174万人が旅行した。日本は奇跡的に犠牲者が少なく済みそうだが、パンデミックはヨーロッパとアメリカに大打撃をあたえた。欧州では死者18万2000人、感染者223万人。米国カナダは死者11万6000人、感染者197万人となった。更にアジア諸国中東、ロシアさらにアフリカや南米に感染爆発が拡大中である。6月5日現在、感染者約656万人、そして死者38.7万人となっている(AFP/BBNEWS)。
このウイルスは人工的に何らかの手が加えられたものである可能性もあるようだ。米国がそのような疑いを持たざるを得ない充分な根拠がある。
2014年以来、米国の「国家健康機関」から4億円以上の税金が援助金として武漢国立ウイルス研究所に援助されてきた。しかし、中国国立武漢ウイルス研究所が、何故米国の国家健康機関から援助を受けられるのか、その資格については隠されてきた。それはバラク・オバマ政権時代のことである。そこではコロナ・ウィルスとコウモリとの関係について研究がされてきた。 “2018年、(トランプ政権下で)アメリカから外交官(科学専門)が中国の研究施設視察に繰り返し派遣された。彼らは、武漢ウイルス研究所(WIV)の安全性と管理体制にぜい弱性があり、支援が必要だと米国政府に求めた”とワシントンポスト紙は述べている。この6年間、武漢ウイルス研究所の状況についての情報を米国政府の専門家たちが得ていると考えるのは当然だ。トランプ大統領やポンペオ国務長官が「武漢ウイルス研究所が感染源だ」と指摘したが、その情報を根拠としているのだろう。
新しい国境の時代
国民の家庭や命を守るために国境の運用が重大になる時代がやって来た。新型コロナ・ウィルスの感染爆発がもたらした「新しい国境認識」である。それは「家庭と国家の生命を保護するための国境」である。この「新しい国境」の概念は、今まで支配的であったグローバリズムに基づく国境概念の対局にあるように見える。グローバリズムは今大きく変容することが求められている。即ち、安易なグローバリズムは大きな犠牲をもたらす。それは「新しい国境認識」と調和することにより「真のグローバリズム」へと変容せねばならない。
グローバリズムを代表するEU諸国の国境概念は、“国境を自由に越えて人や商品が行き来できる”ものだった。それは世界の政治思想に多くの影響をもたらしたようだ。しかし、それは新型コロナ・ウィルスの感染爆発により、瞬時に激しく否定された。恐ろしい感染症から国と国民を守るためであった。感染を防ぐために、短期間ですべての諸国が国境を閉ざした。それでも、すでに手遅れであり、とてつもなく多くの犠牲者をもたらした。
それまでは、国民生活に必要な物資はコストの安い地域で分業的に生産し、安さの恩恵を受けてきた。しかし、今回の感染症パンデミックで、それらを輸入しようとしてもできない事態に陥った。生産国の政府(中国)が政治介入して独占的所有を行い、政治的国益のために輸出するようになった。また、豊かな国が買い占めてしまう。医療用マスク、手袋、防護服、治療薬とその原材料、人工呼吸器、ワクチン(?)等を政治目的のため外交的に利用する等の諸問題が発生した。経済的合理主義に基づき利益を追求する「国境を越えた世界的分業経済」が大きな危機をもたらした。安いと思っていた生活用品が大きな危機をもたらした。日本国民はなんでも日本で生産できると考えていたが、日本からマスク、消毒用アルコール、医療用手袋や防護服が消えた。世界的分業体制を利益偏重のために利用したことがもたらした結果であった。
「もし、不足をしたならば国民の命にかかわるような物資は、極力自国内で生産する」という経済政策を選択し、「予備品の一定量をしっかり保管」して置かねばならない。
また、医師、看護師、医療従事者、医療施設、医療器具等は平時にはゆとりを持たせ、緊急事態に備え対応できる準備と国家予算による継続的な必要資金の投入が必要だ。
「国民と国家の生命を保護するための国境」
人口の増加とともに、個々の家庭が集合して作る国家は、人の四肢五体のように巨大な有機体を構成するようになった。国家が集合する世界も、未来には成長して、国家よりもはるかに巨大な有機体(生命体)となるだろう。有機体としての国家が、人体の一つの器官のようになって世界的有機体を構成して、両者の生命を維持するようになるだろう。 高度な生命体(有機体)は固有の形や機能を繁殖し、また千年・万年もそれらを維持し続けている。そのような有機体が生命を維持し続けるために、皮膚に類するものがそれの全体を覆い、そして守っている。それなしには害虫、細菌、ウイルス等が有機体の中に侵入し、生命が破壊されてしまう。人間の体は最も高度な生命体であり、美しい皮膚が体全体を覆って生命全体を大切に保護している。
37(60?)兆個の細胞が一人の生きた人体を造っている。人体を構成する細胞に相当するのが家庭である。固有の個性を持つ何百、何千万の家庭が生きた国家を造る。人体の生命活動を保護しているのが皮膚であるように、国家の生命活動を保護するのが「国境」である。それは皮膚のような機能を果たす。「国境」が皮膚の働きを失えば、強力な感染症、軍事力を持つ邪悪な集団、種々の犯罪集団が侵入し、国家の生命を食い荒らして死に至らしめる。国を構成する細胞たる家庭まで死ぬことになる。
従来のように、想定される敵国から自国の「領土・領空・領海」や「資源」を守るために「国境」の管理を強化するだけではない。戦争よりも恐ろしい、また、いつ発生するかわからない、みえないウイルス感染症の侵入から国民(家庭)と国を守るためには、国境を有効にコントロールしなければならない。これは自然の法則に依拠するものである。グローバルな時代が来て、諸国家間の人と物の往来が、かつてでは想像もできないほど巨大になった。世界的交流が高まる程、人間社会は発展の可能性が広がる。しかし、新型コロナ・ウィルスの世界的パンデミックとその悲劇(2020年)は、逆にそれにより世界的崩壊の可能性が高まっていることを冷酷に提示した。人類は突如として現れる崩壊の可能性を、叡智と決断により、咄嗟に除去せねばならない。その為には国境が極めて重要な役割を果たす。
バイオテロや戦争に使われる「天然痘」やコンピューターウイルス
天然痘は歴史上もっとも恐ろしい感染症の一つだった。空気感染や飛沫感染をする極めて感染力の強いウイルスであり、また致死率も非常に高い。1980年にWHOが「天然痘ウイルスは根絶された」と世界に発表した。それ以来、米国と旧ソ連が天然痘ウイルスを厳重に保管した。しかし、天然痘ワクチンは米国(ロシア?)を除き存在しないようだ。このことは世界が極めて危険な立場に立たされていることを意味する。天然痘ウイルスがこの二国以外は所有されていないという保証はない。ソ連崩壊時(1991年)には大きな政治的混乱期があった。その時に、ロシアから他国に売り渡され、また盗み出されたかもしれない。中国や北朝鮮が天然痘を兵器として所有しているか否か、内情は全くわからない。天然痘ウイルスが生物兵器として用いられる恐れがある。恐ろしいことに、日本には、天然痘ワクチンの保管が全くないようだ。ワクチンのない国の国民にとっては天然痘ウイルスの怖さは新型コロナ・ウィルスの比ではない。
国境を越えて容易に他国に侵入するものは感染症のウイルスだけではない。コンピューターウイルスが気づかれないうちに自国に侵入し、感染を拡大して、国家の生命が奪われる可能性さえある。その時には社会活動のすべてが一瞬に止まってしまう。 戦争レベルのサイバー攻撃に対し、「バーチャルな国境」を作り上げ、強力なコンピューターウイルスの侵入を止めて、国家の生命と国民生活を保護することが重大な課題となっている。
コンピューターウイルスにも様々な力の差がある。国家が軍事目的で莫大な資金と人材を投入して開発するものは、ウイルスの能力は非常に大きい。他と格段の差がある。サイバー攻撃で情報を盗むのは、ほんの入り口のものである。高いレベルのそれは、気付かない間に大きな破壊活動を成功させる。列車、飛行機、等の交通機関や金融、通信や重要な企業、電力、水道等のシステムを一瞬に麻痺させることも可能である。米軍はそのような強力なサイバー兵器を造り蓄積している。陸、海、空と並ぶAmerican Cyber Command がありポール・ナカソネ大将が指揮している。
“最近、米軍はサイバー攻撃をイランに対しても積極的に活用している。2019年6月20日、イランにより⽶国の無⼈偵察機が撃墜されたことと、ペルシャ湾でのタンカー攻撃をイランの革命防衛隊が行ったことへの措置として、「イスラム⾰命防衛隊」の主要なデータベースを標的とし、米軍がサイバー攻撃をして成功した。そのデータベースは、ペルシャ湾での攻撃を計画するために⾰命防衛隊が使っていた。彼らは現在も依然としてシステム、ネットワークおよびデータの修復をしている。それ以後現在までペルシャ湾のタンカー攻撃は起きていない。” MIT Technology Review 09,2019
ロシアの軍や政府の機関が種々のサイバー攻撃を今でも仕掛け、ウクライナや中東での紛争に活用し、技術を高めている。中国も同様に特に米国企業のハイテク技術を盗み出し軍事技術として活用しようとしている。北朝鮮もそれにより諸国の銀行からお金を盗み出している。
今後の戦争は、武器による熱戦以前に目に見えないサイバー戦争から始まる。相手の国に深く進攻して、国家に致命的破壊を与えることが可能だからである。
- 続 -
2020年6月11日
共創日本ビジネスフォーラム研究所